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[MOM4058]大分MF青山京志郎(3年)_母への恩返しを誓うチャンスメーカーが躍動! 同点弾&決勝弾の大活躍でチームを2年ぶりの決勝に導く

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勝利の立役者となった大分高MF青山京志郎

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ supported by sfida]
[10.29 選手権大分県予選準決勝 大分東明高 1-3 大分高 大分スポーツ公園サッカー場Bコート]

 ボールを持てば、何かしてくれる――。観客をワクワクさせるプレーが真骨頂のチャンスメーカーが勝利の立役者となった。

 技巧派が揃う大分高で下級生の頃からレギュラーを務めていたMF青山京志郎(3年=大分トリニータU-15)が魅せた。前半は思うようにボールを受けられず、相手のギャップを突くターンやチャンスに直結するパスはあまり出せなかったが、後半に入ると水を得た魚の如く躍動する。

 FW佐藤翼(3年)が後半開始から1トップに投入されると、前を向いてボールを貰うシーンが増えた。最前線から1列下がったMF吉川獅子心(3年)とも阿吽の呼吸を見せ、パスとドリブルをうまく使い分けながら相手が嫌がる場所に入り込んでいく。さらに青山は、大分東明高の最終ラインが引き気味に構えているのを見逃さなかった。

「もう少し前の位置でプレーできる。だから、ゴール前にポジショニングを取った」

 積極的にゴール前に入り、フィニッシュに関わっていく。すると、0-1で迎えた後半8分だ。左サイドを突破したSB今田倖聖(3年)からパスを受け、PA内でボールを受けて右足を一閃。相手GKが一歩も動けなかったシュートは左サイドに突き刺さった。その後もゴール前でチャンスを作り、相手の脅威になり続ける。そして、迎えた後半25分。MF今田昴輝(3年)が左サイドからクロスを入れ、FW長尾浩希(3年)が右足でシュートを放つ。キックミスになるが、流れたボールに素早く反応したのが青山だった。泥臭く押し込み、逆転ゴールを奪ってみせた。

 大分トリニータU-15時代からテクニックを武器に創造性豊かなプレーを見せていた。しかし、昇格は叶わず、さらなる成長を目指して高校サッカーで戦うことに。1年次から出場機会を掴んで順調に成長を遂げていくが、昨夏の総体では全国大会の1回戦で矢板中央に1-4で敗北。成す術なく敗れ、「全国レベルの守備を感じて、(判断やプレーの)スピードを上げないと通用しないと感じた」(青山)。

 全国で活躍するための基準を知った青山は悔しさをバネに努力を重ねていく。自分が仕掛けるだけではなく、味方を生かすプレーにも磨きを掛け、今年は攻撃の要としてチームに欠かせない存在へと昇華した。小野正和監督も青山の成長に目を細める。

「個人のレベルが上がった。ボールを回すだけではなく、ボールもほとんど奪われない」

 卒業後は進学ではなく、社会人でプレーする予定になっている。その決断について、青山は言う。

「大学は全く考えていなかった。自分は親に迷惑をかけたくないという思いがある。高卒でプロを目指したかったけど、働きながら上を目指したい。それが社会に出てからも役に立つ」

 現状では行き先は決まっていないが、成長を遂げて将来的にはJリーグでのプレーも視野に入れている。ステップアップのためにも最後の選手権は負けられない。チームを3年ぶりの全国舞台に導き、さらなる飛躍を目指す。

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(取材・文 松尾祐希)

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