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[MOM4068]芦屋学園MF大島尚也(3年)_ゲームをコントロールした“ピッチ上の指揮官”

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ゲームをコントロールした芦屋学園高MF大島尚也(3年)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ supported by sfida]
[11.3 選手権兵庫県予選準決勝 芦屋学園高 3-2滝川第二高 神戸ユニバー記念競技場]

 誰か一人が突出して活躍したような試合ではなかったが、芦屋学園高の許泰萬監督が名前を挙げたのが、後半からの出場で守備を締めたDF西脇輝(3年)、そして先発MFとしてゲームをコントロールしたMF大島尚也(3年)だった。

「(大島は)サッカーIQが図抜けて高い。中学生で初めて観たときにも、『こいつが一番サッカーを分かっている。一番いい選手だ』と思って声をかけた」

 ここで許監督にとって誤算だったのは、「『親御さん今日来てるの?』と声をかけて呼んでもらったら、『お世話になっております』と言われてビックリした」と笑って振り返る事態に遭遇したこと。実は、年の離れた兄・大島涼也は芦屋学園高が強化を始めたときの一期生だったのだ。

 この奇縁から芦屋学園に加わった大島は、この日も指揮官の高評価に応えるプレーを見せ続ける。

「『やられる!』と思うところにアイツがいてくれるし、逆に『ここで失いたくない!』というところでは運んでくれる。本当にゲームをコントロールしてくれた。ゲームの中では僕の代わりをしてくれる選手で、彼に言えば全体に伝わりますから」(許監督)

 試合のコントロールが簡単な流れだったわけでは決してない。力のある選手も揃う滝川二に対し、「ちょっと予想していなかった」(大島)形で2点を先行したものの、「みんなの気持ちが勝利に傾いてしまっていた」と、勝ちたい気持ちが裏目に出る形で猛追を受ける流れになり、前半のうちに2点の貯金は使い果たしてしまっていた。

「自分たちのやるべきことをしようというのが試合前から話していたことだったので、みんなを落ち着かせて戦おうと思っていた」と乱れたゲームの流れを整えつつ、守備では機転も利かせて滝川二の攻勢に対抗。

「引いて守るんじゃなくて攻めのプレーをすることを意識していました。滝二は繋いでくるチームなので、下がるんじゃなくて前へ前へとハメることを意識しました」(大島)

 後半から攻守で締め直しつつ、「一人のエースに頼るんじゃなく、全員で泥臭く戦う」(大島)部分を体現。「去年もここで負けてきていた」という4強の壁を破り、チームを7年ぶりとなる決勝進出に導いてみせた。
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(取材・文 川端暁彦)

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