beacon

3年ぶりに出場権を奪還!! 立正大淞南、“衝撃の幕開け”となった6年連続同カード制す

このエントリーをはてなブックマークに追加

3年ぶり19度目の出場を決めた立正大淞南高

[11.5 高校選手権島根県予選決勝 立正大淞南高 3-0 大社高 松江市営陸上競技場]

 第101回全国高校サッカー選手権島根県予選決勝が5日に行われ、立正大淞南高大社高を3-0で下し、3年ぶり19回目の出場を決めた。

 朝から降り続く雨が強まるなかで始まった6年連続同カードの決勝は、衝撃の幕開けとなった。大社がキックオフ直後からつなごうとしたパスを、立正大淞南MF進海翔(3年)が鋭い出足からセンターサークル内でカットし、一気に敵陣に攻め入る。MF野田叶(3年)のドリブル突破のこぼれ球を拾った進がゴール前で左足を振り抜くと、大社の選手に当たったボールがGK足立輝太(3年)の頭上を超えてゴールイン。開始わずか12秒という電光石火の一撃で均衡を破った。

 いきなり先制を許した大社も6分、GK足立のロングキックから、FW岩田凌汰(2年)が最終ラインの背後に抜け出す。エリア内右サイドでGK塚田喜心(2年)と1対1のビッグチャンスを迎えたが、左足シュートはわずかに左に外れて決まらない。立正大淞南も12分、FW香西銀二郎(3年)が左サイドを抜け出して左足で狙うも、わずかに右に外れた。

 チャンスの応酬から、次の1点を奪ったのは立正大淞南だった。14分、左CKのチャンスでMFダ・シルバ・イゴル・ヤン(3年)が浮き球を中央へ。これを大社守備陣の前に入ったDF西口大稀(2年)がヘッドでたたき込み、ネットを揺らした。

 序盤に2点を奪った立正大淞南は、なおも追加点を狙って押し気味に進め、18分には右CKからエリア内でフリーになっていたDF三輪陽斗(3年)がヘッドで狙うが、わずかに左へ。大社もMF妹尾将史(3年)、DF児玉晴(2年)を中心に左サイドを崩そうとするが、決定機には至らない。アディショナルタイム、立正大淞南はエリア内右サイドからのFW久島理功(2年)の左足シュートがクロスバーに当たり、こぼれ球をFW香西がヘッドで狙うが、左に外れて決まらなかった。

 立正大淞南は2-0とリードして迎えた後半6分、左からのFKをDF坂井悠飛(3年)が頭で合わせたが、GK足立の正面を突く。早く1点を返したい大社は後半の立ち上がりに2人の選手交代を行い、両サイドから敵陣深くまで攻め入る時間を作るものの、球際で体を張って防ぐ立正大淞南の守備を崩すことができない。

 立正大淞南は勝利を決定付ける追加点を狙うが、なかなかチャンスを生かせなかった。だが終盤に入った31分、敵陣右サイドからのFKをFW矢野瑛吉(3年)がゴール前に送ると、フリーで走り込んだDF坂井がヘッドで合わせ、ふわりと浮いたボールがGK足立の頭上を破って3点目。この日、再三にわたってチャンスを作っていたセットプレーで得点を奪うと、何とか1点でも返したい大社の攻撃を最後まで力強くはね返し、試合終了の瞬間を迎えた。

 立正大淞南は3年ぶりに選手権の出場権を奪還し、南健司監督は「試合全体を通して良かった」と選手たちのパフォーマンスを称えた。「初めて選手権に出場できて、本当にうれしい」と喜んだキャプテンのMF肥塚秀斗(3年)は、1回戦で聖和学園高(宮城)にPK戦で敗れた夏の全国高校総体(インターハイ)を踏まえ、「あの負け方をしてから、もう一度チームが一つになることを意識して取り組んできた。全国でも淞南のチーム力を発揮して、日本一を目指して頑張っていきたい」と冬の大舞台での雪辱を見据えていた。

(取材・文 石倉利英)
▼関連リンク
●【特設】高校選手権2022

TOP