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CKから2発!元市船・石渡監督率いる東邦が愛工大名電を延長で下し決勝進出:愛知

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東邦が延長戦を制して決勝に進出した

[11.5 高校選手権愛知県予選準決勝 東邦2-1(延長)愛工大名電 CSアセット港サッカー場]

 第101回全国高校サッカー選手権愛知県予選準決勝が5日に行われ、東邦高が延長戦の末に愛工大名電高を2-1で下した。12日の決勝は東海学園高と対戦。場所は同じCSアセット港サッカー場で13時にキックオフする。


 石渡靖之監督はハーフタイムにセットプレーについて修正するように指示したという。「ショートコーナーは練習からやっている。もっとやってほしいなと思って見ていた。前半は出し惜しみしてしまったけど、それで後半に取れたんだと思うので、怪我の功名かな」。

 石渡監督が就任したのは、今年6月から。インターハイ予選を3回戦敗退となったことで、総監督から現場の監督になってチームを強化してきた。主将はFW坪井風汰(3年)が務めるが、ゲームキャプテンは10番を背負う2年生CBの朴勢己に託した。さらに1年生DF名古屋佑乃介や同じく1年生のFW山端寧生をレギュラーに定着させるなど、チームの底上げに成功し、冬の舞台に進んできていた。

 迎えた昨年度大会で敗れていた準決勝。互いに固い守りから簡単には崩されない粘り強い戦いをみせていく。そんな中で石渡監督が話したように、カギとなったのはセットプレーだった。後半3分、右サイドでCKを獲得した東邦は、ショートコーナーからDF名古屋が精度の高いクロスを上げると、ファーサイドで競り勝った朴が頭で合わせる。これが枠内に飛んで先制点が生まれた。

 後半11分に与えたPKによって同点とされ、延長戦にもつれ込む一戦となったが、決着をつけた得点もセットプレーから生まれたものだった。延長前半2分、先制点と同じく右サイドからのCK、またもショートコーナーから名古屋がクロスを上げると、DF岡田結希(3年)が頭に当てて流し込む。これが決勝点になって、東邦が4年ぶりとなる決勝へと勝ち上がった。

 試合中も選手たちには身振り手振りで指示を出していた。「勝った経験がないから、ゲームをコントロールする力が足りない。オーバーコーチングは良くないかもしれないけど…」と苦笑いを浮かべるも、かつて市立船橋高を率いてインターハイで3度の優勝経験を持つ名将が見せる高校サッカーへの情熱に衰えはない。

 逆転勝ちした準々決勝の至学館高戦に続いて、接戦をものにしての勝ち上がりになった。この日のスタメンも6人が2年生以下だったように、まだまだ発展途上のチーム。春先にはなかった戦い方が出来るようになってきたと評価する石渡監督も、まだまだ成長の余地はあると強調する。「(東海学園は)伝統校だし、すごく固いゲームをする。胸を借りて、しっかりと行かないといけない」。12日の決勝で、東邦がさらなる進化をみせる。

(取材・文 児玉幸洋)
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