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[MOM4074]飯塚MF原翔聖(2年)_予測不能の「不思議な選手」野性味溢れるプレーで勝利のヒーローに!

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飯塚高MF原翔聖(2年)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ supported by sfida]
[11.5 選手権福岡県予選準決勝 九州国際大付高 0-3 飯塚高 ベスト電器スタジアム]

 判断よくドリブルとパスを使い分けて相手を崩す“インテリジェンスサッカー”が売りの飯塚高において、右サイドハーフを務めるMF原翔聖(2年)の存在は異質と言える。武器は高い身体能力を活かしたプレー。ボールを受けてからの一瞬の速さに加え、ヘディングの強さや、運動量も兼ね備えている。キャプテンのDF片山敬介(3年)の「良い意味でサッカーを分かっていない」という言葉は誉め言葉で、野性味溢れるプレーは飯塚のスタイルに良いアクセントを加えている。

 九州国際大付高との準決勝は、そうした彼の持ち味が存分に出た試合だった。「今日に合わせて、練習でピーキングをしてきたので身体が軽かった」成果もあり、立ち上がりから軽快な動きを披露。「最初のプレスで相手に恐怖を与え、嫌な気持ちを持って貰おうと思っていた」と前線から積極的にプレスをかけ続ける。チームへの貢献は守備だけに留まらず、ボールを持ったらひたすら縦を狙い続ける。

 最初のチャンスが訪れたのは、前半16分。DF藤井葉大(2年)からのパスを受けたMF池田悠夢(3年)がハーフウェーライン左付近から、ドリブルでPA左まで侵入。ゴール前にパスを入れると反応したのは右サイドから走り込んだ原。「悠夢君がクロスを上げて良い所にボールが来たので、詰めて決めるだけだった」と冷静にダイレクトで合わせて、均衡を崩した。

 以降も攻撃への関与は続く。27分には右サイドからゴール前に入ったロングスローのこぼれ球を「良く打っている」というオーバーヘッドで合わせて、シュート。38分には左から池田が入れたパスを落として、MF秦翼(3年)のシュートを引き出した。後半に入ってからも、持ち味であるスペースに入ったボールを追い掛けるプレーを何度も披露。追い付いたら、果敢に縦へと仕掛けて相手に脅威を与えた。後半28分にベンチへと退くまでの貢献度はピカイチで、この日の主役であったのは間違いない。中辻喜敬監督は「彼は野人なので1+1が2にならない。3、4にもなるけど、マイナスになることもある。その日によって、どんな化学反応をするのか分からない不思議な選手。今日は1+1が10とか20になっていた」と原の出来栄えを高く評価した。

 原は福岡県のBUDDY FC出身。県内のライバルチームやJリーグのアカデミーからも誘いを受けたが、「飯塚は足元が上手い選手が多い。自分は足元がめちゃめちゃ下手なので、足元が少しでも上手くなったら良いなと思った」との理由で飯塚への入学を決めた。入学当初は技巧派のチームに馴染むのは難しかった。カテゴリーも1年生のBチームからスタート。それでも、「うまい選手ばかりで、自分が勝てるのは身体能力だけ。ジャンプや運動量では負けたくないって思っていた」。

「相手に蹴られても良いので、チームに貢献したい」と怪我を恐れず、攻守両面で突っ込んでいくプレーなど他とは違う動きを評価され、今年の代になってからはAチームでのプレーが続く。出場機会を重ねるごとに成長速度も上がり、今では運動量やプレスに行くスピードなどが高まっている。

 決勝の相手である東福岡高は、中学時代に「倒したいと思っていた」というチーム。目標を達成するには格好の舞台だ。「自分は絶対に上手い選手にはなれないと分かっているので、怖い選手になれたら良いなと思っています。決勝はチームに貢献できるように、自分のできるプレーを精一杯頑張りたい」と意気込む原なら、再び主役となる活躍を見せてくれるだろう。

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(取材・文 森田将義)

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