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“ユニフォームに負けない”佐賀商が昨年度決勝のリベンジ!王者・佐賀東を破り10年ぶり本戦出場に王手:佐賀

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佐賀商が佐賀東を撃破!

[11.6 選手権佐賀県予選準決勝 佐賀東0-2佐賀商 鹿島市陸上競技場]

 第101回全国高校サッカー選手権佐賀県予選準決勝が6日に行われ、佐賀商高佐賀東高を2-0で下し、2年連続の決勝へと進んだ。10年ぶりの本戦出場をかけた決勝は13日、駅前不動産スタジアムで龍谷高と対戦。13時にキックオフする。

 佐賀東を倒さなければ、その先に行くことは出来ない。昨年度はインターハイ予選、選手権予選ともに決勝で敗戦。今年に入ってもインターハイ予選の3回戦で対戦し、0-1で敗戦。県リーグ1部の対戦でも前期は1-2、そして後期も2-2と常に壁となって立ちはだかっていた。

 ただ松尾智博監督は必要以上に意識しないことを選手たちに求めていたという。「高校生ってユニフォームに負けることってあるじゃないですか」と話した松尾監督は、「かかと重心にならずに戦おうと。大学生とトレーニングマッチをすることでスピード感に慣れさせた。そこがよかったですね」とがっぷり四つを組んだ戦いで王者を下したイレブンの奮闘に目を細めていた。

 前半を無失点で折り返せたことが、選手たちにより自信を与えていたかもしれない。前半最大のピンチは32分、佐賀東が右サイドからのCKを蹴ると、DF石橋拓磨(3年)が頭で合わせる。しかしカバーに入っていたMF篠原颯汰(3年)がライン上でかき出して先制点を与えなかった。

 すると後半33分だった。鎖骨の怪我で離脱していながら準々決勝の嬉野戦から復帰していたFW西村琉維(3年)がドリブル突破から右足を振り抜くと、ゴール前のこぼれ球を演出。これに詰めた途中出場のFW古賀航太郎(2年)が蹴り込んで、先制点を奪うことに成功する。

 さらに終了間際のアディショナルタイム4分には、超前がかりとなっていた佐賀東のセットプレーのボールを奪ってカウンターを発動。古賀が一人でゴール前まで持ち込むと、戻ったDFに囲まれながらも、コースを作って左足を振り抜く。喜びを爆発させると、再開後間もなくして、勝利を告げるホイッスルが鳴らされた。

 過去19回の全国選手権出場を誇る名門だが、近年は新興勢力の台頭もあり、出場となれば2012年大会以来、10年ぶりとなる。佐賀東という大きな壁を越えたが、決勝を勝たなければその先はない。相手の龍谷は、またも今年の県リーグ1部で前後期を通じて勝ちがない相手だ(前期0-1、後期1-2)。準決勝と同じメンタリティで13日には臨みたい。

 もちろんイレブンは言わなくても分かっている。西村が「決勝は自分たちの強みであるスタミナ面で勝負できる展開に持ち込みたい」と話せば、古賀も「今までの練習の成果を出して、勝ちたいなと思います」。そして松尾監督も「大きな壁を超えたので、あと一週間しっかりと準備したい」と闘志を燃やした。

(取材・文 児玉幸洋)
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