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[MOM4080]前橋育英DF山内恭輔(3年)_「悪魔の左足」を振るう左サイドバックが2ゴール1アシストで群馬制覇に貢献!

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2ゴール1アシストで優勝に貢献した前橋育英高DF山内恭輔

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ supported by sfida]
[11.6 高校選手権群馬県予選決勝 前橋育英高 6-0 共愛学園高 正田醬油スタジアム群馬]

 タイガー軍団の6番が記録した、群馬制覇を手繰り寄せるファイナルでの2ゴール1アシストという数字は、実に驚異的だ。なぜなら彼のポジションは、左サイドバックなのだから。

「今日はゴールを狙っていました。右サイドからよくボールがこぼれてくることが多いので、そこは毎回狙うようにしていますし、そういう時はいつもゴールをイメージしながら上がっています」。

 高体連屈指の左サイドバックという称号は伊達ではない。夏冬連覇を真剣に目指す前橋育英高(群馬)のパワフルレフティ。DF山内恭輔(3年=前橋FCジュニアユース出身)の左足が、この日もいつも通り強烈に火を噴いた。

 立ち上がりから決してリズムを作れていたわけではない。共愛学園高と対峙した選手権予選決勝。勝利だけを義務付けられた前橋育英は、何度か訪れたチャンスも仕留め切れず、少し嫌な空気が流れ始めたタイミングで、それを切り裂く瞬間は17分に訪れる。

 MF大久保帆人(3年)のスルーパスから右サイドを抜け出したDF井上駿也真(3年)が、中央へ優しい折り返しを送り届けると、飛び込んできた山内が左足で放った強烈なシュートは左スミのゴールネットを鮮やかに揺らす。「右で崩してくれたので、自分がマイナスに入ってファーサイドに流し込むだけでした」。左サイドバックが奪った先制点。ようやく前橋育英が1点のリードを手にする。



 次に輝いたのはアシストで。30分。MF青柳龍次郎(3年)からサイドに開いてパスを引き出した山内は、そのまま縦へ運びながら寄せてきた2人のDFの間を通す、クロスというよりもラストパスをFW山本颯太(3年)へピタリ。チームの2点目を巧みに演出してみせる。

 後半31分のゴールは、まるでストライカーのそれだった。スローインの流れからMF根津元輝(3年)が強烈なシュートを枠内へ。GKも懸命に弾き出したものの、ルーズボールへ誰よりも早く反応したのは山内。後方から全力のスプリントで走り込み、GKの股下を豪快に破るシュートをゴールネットへ到達させる。

「元輝のシュートが強いのはわかっていましたし、キーパーがこぼすと思っていたので、たまたま来たボールを押し込むだけでした。あれは予測していました」。左サイドバックが挙げた貴重な追加点。6-0という快勝の中で、実に3得点に絡んだ山内の左足の威力が、この決勝の舞台でも眩い光を放った。

 今シーズンから昇格したプレミアリーグでも、その攻撃性は十分過ぎるほどに通用している。ここまで残した数字は2ゴール7アシスト。「プレミアでやっていく中で、対策されたりしているという面では、結構知られてきているのかなと思いますし、その中でもやっぱり結果を残していきたいですね」。世代最高峰のステージで、確実に自身のプレーに手応えを掴んできた。

 この日の前橋育英の登録メンバー22人の中で唯一の群馬県出身。健大高崎高と対峙した準決勝では、中学時代のチームメイトとの“再会”も経験した。「健大には前橋FCの同級生が4人もいたので、燃えましたし、勝った時には言葉にできない感情がありました。試合後に彼らと話して、そこで『全国でも優勝してこい』みたいなメッセージももらったので、今日の試合に勝てたことでやっとスタートラインに立てたなという感じです」。かつての仲間からのエールも後ろ盾に、ここから目指す場所は明確過ぎるほど明確だ。

「自分たちが研究されることはわかっているので、そこをどう崩していくのかを考えて、ポゼッションサッカーに囚われず、裏を狙ったり、臨機応変なサッカーをしていきたいですね。夏は日本一を獲ったんですけど、この予選の戦いも簡単ではなかったので、ここからは全国でも夏冬連覇して勝てるように頑張っていきたいです」。

 その悪魔の左足、“超・全国レベル”。地元のサッカー少年少女たちへもっと大きな夢を与えるため、山内が上州のタイガー軍団をその攻撃力で、さらなる高みへと導いていく。



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(取材・文 土屋雅史)

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