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[MOM4081]高知DF橋本拓実(3年)_「アイツなら止める」仲間の信頼厚いCBがことごとくピンチ阻止

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高知高DF橋本拓実(3年)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ supported by sfida]
[11.6 選手権高知県予選決勝 高知高 2-0 高知西高 春野陸上競技場]

 高知高の大坪裕典監督が2年連続18回目の選手権出場を掴むための鍵となると考えていたのは、FW大川遼(3年)を中心とした高知西の攻撃をいかに封じるか。「高知西高校さんは得点力があって、立ち位置も良い攻撃的なサッカーをするチーム。いつも判断力のサッカーだけでは、対応しきれない」と考えた指揮官は、事前に3つの守り方を選手に伝え、状況に応じた守り方を選ぶように伝えていたという。

 前から奪いに行く守備が難しければ、次に狙うのは中盤でボール奪取。それが難しければ、中盤に厚みを加えて自陣まで持ち込ませない。そういった二の手、三の手まで用意しつつも、ゴール前に持ち込まれても崩されないという安心感があったという。「うちのCBはめちゃくちゃ強い。そこは1発でやられない大前提の中でできたのが大きかった。放り込まれても、彼らなら大丈夫と思っていた」(大坪監督)。

 実際、高知西が対角線上に入れてサイドバックの裏を狙ってくる場面が何度かあった。カウンターから大川が力強くゴール場面も見られたが、危ない場面にことごとく立ちはだかったのはCBの橋本拓実(3年)。対人の強さを発揮して相手の侵入を止めつつ、背後へのボールに対しては上手く身体を入れて、シュートを打たせなかった。パートナーを組むDF森紺(2年)との関係性もよく、「森との2人はお互い、そんなに背は高くないけど、身体能力は高いと思う。高さはカバーし合いながら、1対1の面では2人とも自信があるので、そこでは負けないようにと話していました」と振り返る。

 淡々と相手の攻撃を止め続けるプレーは、チームメイトからも信頼されている。「橋本はツンデレなんですよ。負けても良いとか言うのですが、アイツが1番サッカー好きだし、全国に一番行きたいのも分かっている。大川が凄いと言われているけど、拓実がマンツーマンで付いたら100%負けないのは分かっていた。チームのみんな止めるのは当たり前だろう、アイツなら行けるだろうという感じでした」。そう振り返るのは角田。声でもチームを支えた橋本の存在は、チームの勝利に欠かせなかった。

 身長は171cmと上背はないが、対人の強さに加え、タイミングよく飛ぶ競り合いの強さ。全国的な知名度は高くないが、関東大学1部リーグの強豪校でも高く評価され、声がかかるほどの実力者だ。夏のインターハイでも自身のプレーに確かな手応えを感じながらも、2回戦の米子北高戦は1-4で敗戦。「強度や精度の部分で全国のベスト4に行くチームとの差を感じたので、そこは意識して練習に取り組んでいます。負けてからは、個人としても米子北をずっと意識してやっている」。

 そうしたプレー面に加え、副キャプテンを務める今年は精神的に逞しくなった。この日も試合中に下級生を励ます声をかけるなど、リーダーとしての自覚も増している。全国では昨年果たせなかった初戦突破を果たすのがひとまずの目標。舞台が変わり、レベルが上がっても、高知のゴール前には必ず橋本が立ちはだかるはずだ。

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(取材・文 森田将義)

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