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PK戦制した山辺、2大会ぶり頂点に王手!! 敗れた畝傍も“2年前”からの成長示す

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先制点を奪った山辺高DF管野心路(1年=右)がガッツポーズ

[11.6 選手権奈良県予選準決勝 山辺高 1-1(PK3-1) 畝傍高 橿原公苑陸上競技場]

 6日、第101回全国高校サッカー選手権奈良県予選の準決勝が行われた。第1試合では、2大会前の準決勝と同じ顔合わせとなる山辺高と畝傍高が対戦。両チーム譲らず、延長戦に入っても1-1のスコアは動かず。PK戦で勝敗を決し、山辺が2大会ぶりに決勝進出を掴んだ。

 前半は、一進一退。両チームともチャンスを作りながらもゴールを奪えず、スコアレスで折り返す。後半に入ると、山辺は前半より低い位置についたMF太田凱翔(3年)から前線のFWグリーン・ケイディン(2年)へのロングボールを効果的に使いながら、打開を図る。5分、CKのチャンスを得た山辺は、MF芦邉陸斗(2年)が蹴り出したCKをDF辻学人(3年)が折り返し、DF管野心路(1年)が詰めて先制点を奪った。

 しかし7分、畝傍MF岡田奈朗(2年)の冷静な判断が光る。ゴール前で切り返して相手選手をかわし、狙いすまして左足を振り抜く。わずか2分でゲームを振り出しに戻し、相手に勢いづかせる暇を与えない。

 その後は山辺が多くチャンスを作るものの、畝傍は得点を奪わせない。延長戦に入ってもこの攻防は続き、勝敗はPK戦にて決することとなった。先攻だった山辺は、PK戦直前に投入されていたGK岸端泰成(3年)が1本を止めてPK戦を3-1で勝利。2年ぶりの決勝の舞台に立つ。

 PK戦で悔しい敗退となった畝傍は2年前、「畝傍高としては40年以上なかった準決勝の舞台」だったと谷口祐樹監督は話していた。その時の試合では80分で勝負がついてしまっていたが、今回は80分間の前後半と20分間の延長戦の中で敗れてはいない。選手間の連携もよくとれており、GK森井時生(2年)のファインセーブもあって、流れの中で失点するような危うさを感じさせることはなかった。2年ぶりに帰ってきた準決勝で、チームとしてさらに成長した姿を十分に示した。

 山辺にとっては優勝した第99回大会以来、2年ぶりの決勝戦となる。試合後に、「緊張もしていたけれど伸び伸びとやってくれて、監督として誇らしい」と選手たちを讃えた興津大三監督。準々決勝、準決勝と厳しいゲームが続いたが、「今年はギリギリで乗り越えられるチームになった。素晴らしいと感じている。たとえ今日の試合で負けていたとしても、自分たちらしさも出せたし、悔いのないようなゲームだった。選手たちはプレッシャーやストレスと向き合うことができ、この1試合で一段と成長してくれたと思う」と語った。

 決勝を前に、さらに成長することもできた。「この良い雰囲気を1週間継続させ、決勝戦へ」(興津監督)。山辺は、2大会ぶりの頂点を目指す。

(取材・文 前田カオリ)
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