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興國はセットプレーも脅威…「もともとFW」CB常藤奏が“相棒”おとりに先制ヘッド弾

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興國高DF常藤奏

[11.6 選手権大阪府予選準決勝 興國高 2-2(PK5-4) 桃山学院高 ヨドコウ]

 PK戦にもつれ込む激闘の口火を切ったのは、前半25分に決まった興國高DF常藤奏(3年=FCバイエルンツネイシ出身)の先制ヘディングシュートだった。

 それまでのCKはファーサイドのDF西川楓人(3年)がターゲットになっていたが、徐々にマークが集中しており、MF千葉大夢(2年)のキックはニアサイドへ。常藤が見事にフリックで流し込んだ。「あそこで触るのが得意だし、そらすヘディングが好き。もともとFWをやっていたので駆け引きのところでも勝てた」。

 そんな言葉どおり、中学時代まではFWが本職だったが、興國入学後にサイドバックへとコンバート。身長が伸びてきた高校1年生の夏過ぎからセンターバックを務めてきた。昨季は一時Aチームに昇格したが、「出場機会を求めて」Bチームで主将を担当。大阪府2部リーグ優勝に導き、今季からAチームの主力に定着した。

 昨季から主力CBを担っている西川は寮でも同部屋。「ずっと一緒にいる相棒のような」関係性だ。ピッチ上では「楓人は全てにおいてスーパーで尊敬している。自分はチームがうまく行っていない時に声を出すのが得意なのでそこでサポートしている」という補完関係にあり、精神面でも「思っていることを言い合うことができているし、それで高め合うことができている」。そうして築いてきた連係が先制点のシーンにもつながっていたようだ。

 そんな相棒とともに挑む最初で最後の全国大会まであと1勝。12日の決勝・履正社高戦に向けて、常藤は「桃山は本当に良いチームで、本当に上手くて崩されたシーンもあったのは反省。選手権の一発勝負は準備をしたほうが勝つと思うので、3年ぶりの全国に行くためにも1週間後までの準備を大事にやっていきたい」と意気込みを語った。

(取材・文 竹内達也)
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