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日体大柏は雪辱の無失点で選手権へ。文武両道のCB古金谷悠太「中学校の時の自分に言っても信じてもらえないと…」

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日体大柏高のCB古金谷悠太( (3年=TUソレイユFC出身)は完封勝利に貢献し、得意とするビルドアップも安定

[11.12 選手権千葉県予選決勝 市立船橋高 0-2 日体大柏高 フクアリ]

 インターハイ予選決勝の3失点敗戦から無失点勝利。日体大柏高のCB古金谷悠太( (3年=TUソレイユFC出身)は、「インターハイ予選では3失点していて、その中で1失点は流れの中でやられたりしていて、DFとしては悔しかったので、抑えられて嬉しかった」と頬を緩めた。

 警戒していたのは市立船橋高のエースFW郡司璃来(2年)は前を向かせてしまうと、スピードとテクニックで局面を打開してくるドリブラー。実際に前を向いた際には、簡単には止まらなかった印象だ。

 その中で古金谷は、「相手の10番に対して前向いたら怖いというのがあったので、そこに遅れても良いから前を向かせないようにしっかりと行くというのは(DF同士で)共有してやっていました」。また、市立船橋が多用する背後へのボールに対しては、コンビを組むCB柴田光琉(3年)、右SB寺村啓志(3年)、左SB岡田ナミト(2年)の4バックで声を掛け合いながら封じることに成功した。

 終盤こそ相手のセットプレーの本数が増えて我慢の展開となったが、「セットプレーはしっかり対策したので。個人的にセットプレーにさせないようにしていた」。できる限り相手にセットプレーを与えないこと、また与えた際はファーストで負けないことやセカンドボールまで徹底されていた。

 インターハイ予選決勝の雪辱を果たし、無失点勝利で初優勝。中学時代に東京都3部リーグのチームで無名の存在だった古金谷は、選手権出場の夢がかなったことを喜ぶ。「中学校のチーム弱くて、日体大柏来て、全国大会に行ける。中学校の時の自分に言っても信じてもらえないと思うんですけれども、ここから代表になったので、千葉県代表として優勝を目指して頑張りたい」。次は千葉県代表として日本一になることが目標。古金谷はよりハードなスケジュールの中で文武両道にチャレンジすることになった。

 古金谷は、毎年2桁の生徒が東京大学へ合格している難関私立中学の芝中学校(東京)出身。日体大柏へ進学を決めた際に家族と約束した学年1位をほぼ高校3年間取り続けてきた。模試で千葉県2位、偏差値総合70を記録したこともあり、片野慶輝総監督が、「学校設立以来で、一番頭良いんじゃないですか」というほどの学力の持ち主は選手権出場を果たした直後、「もう一個の方もしっかりとやっていきたい。帰って勉強します」と微笑んだ。

 以前、目標とする国内最高クラスの大学へ進学するためには勉強時間が足りないと明かしていた。サッカーのコンディションを維持するには勉強は夜11時まで。怪我の予防のためにストレッチにも時間を掛けて行ってきた。また睡眠時間を確保して朝6時起床で通学。勉強する時間は選手権まで増やせそうにないがそれは覚悟の上だ。

「オフの時間とかも有効活用していかないといけない。(決勝へ向けて)ここ数日間は勉強も疎かになってしまったのでこれからしっかり。全国大会に出たらまた勉強も疎かになってしまう。それまで貯金しておこうかなと思います」。受験予定の大学入学共通テストは国立決勝の5日後から。1年前の新チームスタート時、Bチームにいた成長株は文武両道をやり切って卒業する。

(取材・文 吉田太郎)
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