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高松東を振り切った四学大香川西が4年ぶり選手権出場!「がっぷり四つで挑みたい」チャレンジャー精神で全国の舞台へ

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四国学院大香川西高が4年ぶり12回目の選手権出場

[11.12 選手権香川県予選決勝 高松東高 1-3 四国学院大香川西高 県営サッカー・ラグビー場]

 12日、第101回全国高校サッカー選手権香川県予選決勝が行われ、四国学院大香川西高高松東高に3-1で勝利し、4年ぶり12回目の選手権出場を決めた。

 MF山田晃市(3年)と菊池亜門(3年)の両翼を筆頭に技巧派が多く揃うのが、今年の四国学院大香川西の強み。「監督にいつも『普段通りに試合をすれば、結果が付いてくる』と言われているので、緊張せず楽しくやろうと思っていました」と山田が振り返る序盤は、テンポ良くボールを動かしながら、隙を見つけては相手の背後を狙い、チャンスを作り出した。

 前半9分には、カウンターのボールを受けた山田の仕掛けから先制点が生まれた。「県内のチームだと、僕たちが縦を仕掛けるのが読まれている。相手の『縦を切れ』という声が聞こえたので、中に仕掛けた方が抜けるかなと思った」と振り返る山田が中央を運んで、ゴール前にパス。タイミング良く抜け出したFW橋田璃大(3年)が決めて、均衡を崩した。

 以降もMF塩川直幸(3年)と鈴木理生(2年)のダブボランチを中心にテンポよく動かし、山田とDF福平太一(3年)の右からチャンスを作った。33分にはFW中平路斗(3年)にフリーで打たれるピンチもあったが、DF小島大空(2年)と山西憂斗(2年)のCBコンビがチャレンジ&カバーを徹底し、失点を回避すると、40+1分には二度目の決定機が到来。カウンターから左中間を抜け出した菊池のパスから、橋田が上手くゴール前を抜け出し、2点目を叩き込んだ。

 理想的な試合運びを見せた前半から一転し、後半は高松東のペースに。「彼らは(トーナメントで)勝ったことがない。2‐0になって守ろうという意識が強くなった」(大浦恭敬監督)せいで、前半は機能していた前線からのプレスができなくなった。DF嶋村悠(3年)ら高松東のDFに蹴られる場面が増えた。その結果、「前半のまま行ったら攻められたままだと思ったので、前目に位置を取って、できるだけ攻撃に専念するようなポジションを意識した」と振り返るMF山下翔永(3年)の仕掛けに苦しんだ。後半14分には山下にドリブルで左を崩されると、クロスからFW松田凌空(3年)にヘディングシュートを決められた。

 以降も1点差に詰め寄り、勢いに乗った高松東に押し込まれる時間が続いたが、「スタンドにいる選手の分まで戦い、絶対に勝とうと思っていました」(GK三谷虎大朗、3年)。慣れない天然芝や、スタンドからの声援を受けたことによる緊張で足を吊る選手もいたが、粘り強い守りで同点弾を与えず、試合を進めた。すると、40+6分には三谷のロングボールから、途中出場のFW鹿島優希(3年)がゴール前を上手く抜け出し、3点目をマーク。直後にタイムアップを迎え、四国学院大香川西が3‐1で勝利した。

 今年の3年生は、入学直後からコロナ禍での活動を強いられてきた。「対外試合で伸びていくタイプ」(大浦監督)のチームである四国学院大香川西にとっては四国外へ行けない影響は大きかった。毎年恒例の長期遠征に行けたのは、今年の夏休みが初めてで、「ユニフォームを忘れた選手がたくさんいた。洗濯の仕方すら知らずゼロからだった」(大浦監督)。

 ただ、そうした非日常の経験は選手たちを逞しくした。「遠征では下宿先でのあいさつなど礼儀を学んだ。夜ご飯を出して貰ったり、当たり前のこともっと感謝しなければいけないと思いました」と振り返るのは山田。大浦監督はこう続ける。「ピッチ外のことをきちんとやれると、プレーも最後まできちっとやれるようになる」。本来持っていた個々の上手さに加え、四国学院大香川西が大事にしてきたピッチ外にまで目と気を配れるようになってきた。

 4年ぶりの選手権とあり、選手は一人も雰囲気を知らない。「失うものはない。べた引きせず、がっぷり四つで挑みたい」と大浦監督が話す通り、チャレンジャー精神で全国の強豪に向かって行く。

★高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチを応援するsfidaは、第101回全国高校サッカー選手権大会のオフィシャルパートナーです。


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(取材・文 森田将義)

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