beacon

[MOM4105]四国学院大香川西FW橋田璃大(3年)_全国への切符を手に“冬の帰京”…両親に「恩返し」の2得点で選手権導く

このエントリーをはてなブックマークに追加

四国学院大香川西高FW橋田璃大(3年)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ supported by sfida]
[11.12 選手権香川県予選決勝 高松東高 1-3 四国学院大香川西高 県営サッカー・ラグビー場]

 「上手いけど、ちょっと抜けている選手」というのはMF山田晃市(3年)の評価。自身も「試合中にボーっとしていることが多かった」と口にするのがFW橋田璃大(3年)だ。50mを6秒フラットで走るスピードを含め確かな力を持ちながらも、そうした性格が災いし、これまではあまり出番が得られなかった。FWのファーストチョイスは前線から積極的にプレスをかけられるFW伊藤俊介(3年)。「試合になると疲れてしまう」橋田の出番は準々決勝までなかった。

 だが、ここぞという場面では仕事するタイプでもある。ゴールを期待され、準決勝での高松商高戦で出番を得たが、ノーゴール。続けてスタメンで起用されたこの日は、「前回は点を決められなかったので、自分が点を決めてチームを勝たせてやろうと思っていた」。

 試合開始と共に普段、大浦敬恭監督から言われてきた縦への仕掛けを意識すると、前半9分には一つ目の見せ場が訪れた。中央を運んだ山田からのパスを受けると、絶妙なターンで前を向き、DFを剥がすと、ゴール左隅に決めた。チャンスをきっちり物にした橋田は試合後、「練習をしてきた形が得点に繋がって良かった」と安堵の表情を浮かべた。

 2度目のチャンスは40+1分。左のMF菊池亜門(3年)からのボールを上手く前方に流しながら受けた。空いた前のスペースを仕掛けて打ったシュートは、再びゴールの左隅へ。「クロスの選択もあったのですが、決める事しか頭になかったので、思い切ってシュートを打った結果が得点に繋がりました」と振り返ったようにゴールへの欲望が活きた形だった。

 後半はボールが前線に入る回数が減ったが、「今日は吊るまで走ってやろうという気持ちで頑張りました」とタイムアップの瞬間まで走り、勝利の瞬間を見届けた。

 中学時代は東京都の府ロクジュニアユースでプレー。「香川西なら選手権に出て、東京に戻って来られると思って、選びました」。元々はサイドハーフやFWでプレーしていたが、高校ではボランチにコンバート。慣れないポジションに戸惑いながらも、「やるしかない」と奮起し、頑張ってきた。今年の代になってからは持ち場を前線に戻した。プリンスリーグの後期は途中出場が主だったが、焦れずにチャンスを待ちづけてきた結果が、この日の活躍に繋がった。

 晴れ舞台とあって、この日は東京から両親が駆け付けた。「両親に良いプレーを見せて、恩返ししてやろうという気持ちでいました」という意気込みを示す、2ゴール。試合後に言葉はかわさなかったが、スタンドにいた父親がグッドポーズをしてくれたのが嬉しかったという。

 活躍をこの日だけに留めるつもりはない。狙っていた通り、全国大会出場による東京への帰還を果たすだけあって意気込みは強い。4年ぶりの選手権出場を引き寄せたヒーローは「自分たちのチームはベスト8が目標なので、もっと上を目指したい。チームでもっと高みを目指せるように頑張っていきたいです」と意気込みを口にした。

★高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチを応援するsfidaは、第101回全国高校サッカー選手権大会のオフィシャルパートナーです。


 挑戦し続ける若者を応援したい、挑戦の先にある新たな扉を開くサポートをしたい、そんな想いから第100回大会より全国高校サッカー選手権へ協賛。日本一を目指す高校生たちの挑戦を全力でサポートいたします!

sfida 2022秋冬COLLECTIONはこちら

(取材・文 森田将義)

●【特設】高校選手権2022

TOP