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[MOM4106]徳島市立DF野々村泰成(3年)_自ら示した最後まで諦めないことの大切さ

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ supported by sfida]
[11.12 選手権徳島県予選決勝 徳島市立6-0徳島商 徳島市球技場メイン]

 まさにチームを勢いづけるゴールになった。スコアレスで折り返した後半2分、徳島市立高は右サイドで攻撃参加していたDF野々村泰成(3年)がボールを受けると、迷わず右足を振り抜く。これがゴール左隅を捉え、ゴールラッシュの口火を切った。

「前半はブレーキがかかっていて、自分らしくないなと思ったので、後半はボールを持ったら振り抜こうと思っていました。止めた瞬間にいい所に止まったので、これは振り抜くしかないと思ったし、ゴールしか見ていませんでした。気持ちよく決めることができたと思います」

 目元や鼻先を赤らめながら悔し涙を流す徳島商の選手たちと同じくらい、徳島市立の中にも手で顔を覆いながら涙を流す選手がいた。それが野々村だった。

 野々村は昨季終盤はレギュラーを掴んでいた選手だった。しかし昨年度の選手権予選の準決勝で右足靭帯を負傷。無理を押して決勝に出たことで、状態を悪化させてしまった。そのあとも、右足首、グロインペイン症候群、左足首……。度重なる負傷に苦しめられると、夏の地元開催となったインターハイ初戦の矢板中央戦には先発したが、それも無理やり間に合わせていたことで、その後も反動に苦しめられたという。

 涙の理由については、「一部ですが少し報われた」「諦めなくて良かったな」という感情が込み上げてきたと明かす。「怪我に苦しんだ中で、いろんな人に助けられて、ここまで戻ってこれた。自分の中ですごく苦しい時期を過ごしたんですけど、諦めたくないないなと思ったし、最後まで頑張ろうと思ってやってきて良かったです」。

 卒業後は国公立の大学への進学を目指しているという。全国大会は勉強に追い込みをかける大事な時期と重なることになるが、両立したいと意気込む。「国公立の保健体育に進んで、将来的に先生になりたい。サッカーを続けられるなら続けたいし、希望の大学に進むためにも勉強も頑張らないといけないと思ってます」。

 今年のチームが立ち上げ時に掲げた目標は「全国4強」。その目標を叶えるためにも、残り1か月半の過ごし方が重要になってくる。「もっとパスの質や関係性を高めていって、最後に国立のピッチに立って、笑顔で終われるようにしたいなと思います」。自ら示した最後まで諦めないことの大切さ。この試合でつけた自信を胸に、この先も自分を信じて突き進む。

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(取材・文 児玉幸洋)

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