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神村学園が初の鹿児島県予選6連覇、全国制覇を誓うMF大迫塁「歴史を変えるチャンスはまだある」

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神村学園高が初の6連覇

[11.12 選手権鹿児島県予選決勝 鹿児島実高 1-2 神村学園高 白波スタ]

 第101回全国高校サッカー選手権の鹿児島県予選決勝が12日に行われ、神村学園高が2-1で鹿児島実高を破って県勢初となる6大会連続の全国出場を決めた。序盤から優位に試合を進めた神村学園だったが、有村圭一郎監督が試合後に「鹿実、強かった……。ファイティングスピリットがすごかった」と認める相手の粘りに苦しめられ、終盤は1点差に追い上げられて慌てる時間帯となったが、卒業後にドイツ1部のボルシアMGへ加入するFW福田師王(3年)が絡んだ2得点を生かして勝ち切った。

 試合は、立ち上がりから神村学園のペースだった。前半4分に左DF吉永夢希(2年)の鋭いクロスがゴール前を横断するなど早々に押し込むと、同9分にはFW西丸道人(2年)の右からのクロスをFW福田がヘディングシュート。クロスバーの上に外れたが、決定機を作り出した。ただ、その後は攻め切れなかった。前半27分にC大阪加入内定のMF大迫塁(3年)のクロスに福田が飛び込む場面があったが、相手GKの鋭い飛び出しに阻まれた。押し込まれた鹿児島実は、中盤のプレッシングで対抗。前半33分に前線のプレスで相手GKのボールをひっかける場面もあるなど、我慢強くチャンスを狙い続け、前半36分には突破力のあるMF田村倫也(2年)を右サイドに投入し、押し返しを狙った。

 前半のシュートが神村学園の1本のみと拮抗した展開になったが、後半の立ち上がりに、突然ゴールが生まれた。自陣でボールを保持した神村学園は、MF大迫が中央でパスを受けると、それまでのショートパスとドリブル主体の攻撃に変化を加えるロングフィードで相手の背後を強襲。「下がってパスを受けてドリブルで運ぼうと思ったけど、相手DFが付いてこなかった。それまで師王の動き出しに相手が付いていけていないのが見えていたので、蹴れば行けると思った」と話した大迫のパスにより、鋭い動きで抜け出した福田が相手2人に寄せられながらもゴール前に持ち込んで右足シュートをたたき込み、均衡を破った。

 先制された鹿児島実は、選手交代で配置を変更。後半15分、アンカーから左サイドに移ったMF福元一光(2年)のキープから、攻撃参加した左DF瑞慶山史師(3年)がドリブルで進んでシュートを放つと、GKが弾いた球をファーサイドで拾い、田村が飛び込むチャンスが訪れたが、相手のブロックに阻まれた。直後の後半16分、神村学園は、カウンターアタック。前線でボールを受けた福田は、右ハイサイドへ大きく展開。「師王さんには2、3人がついて、自分が1対1とかフリーになる場面は、今までもたくさんあった。師王さんに入ったときにどういう動きができるかは、自分の課題だった」と話した西丸が抜け出し、追ってきた相手をドリブルでかわしてファーサイドへシュート。途中出場の1年生FW名和田我空(1年)がゴールへ押し込み、追加点を奪った。直後の後半17分には名和田のドリブルから左DF吉永がシュートを放つ決定機があったが、左に外れた。

 2点を追う鹿児島実は、積極的な交代策で攻撃を活性化。後半28分、MF原口順多(2年)が左から放ったロングスローで混戦を生み出すと、投入されたばかりのFW牧野樹生人(3年)が右足でゴールへ蹴り込んで1点差に詰め寄った。終盤は、鹿児島実が攻め立てる展開となり、原口が両サイドから何度もロングスローを投げてゴールへ迫り、MF仙田龍聖(2年)が強烈なシュートを放つ場面もあったが、同点に追いつくことはできなかった。

 2-1で勝負を物にした神村学園は、プリンスリーグ九州で首位を走っており、2位以上で12月中旬に行われるプレミアリーグ参入プレーオフの出場権を得る。プリンス九州を制し、プレミア昇格を決め、その勢いで高校選手権の全国大会に臨むのが理想の流れとなる。大迫は「神村学園のサッカーを見せ、全国優勝を目指す。(鹿児島で)6連覇して新たな歴史を作れたけど、プレミア参入戦でも全国でも、神村学園の歴史を変えるチャンスは、まだある」とさらなる飛躍に意欲を見せた。プロ内定の福田、大迫を擁する神村学園は、全国でも注目チーム。過去最高成績はベスト4。どこまで歴史を塗り替えるか、楽しみだ。

★高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチを応援するsfidaは、第101回全国高校サッカー選手権大会のオフィシャルパートナーです。


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(取材・文 平野貴也)

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