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[MOM4109]神村学園FW福田師王(3年)_「結果を残せて良かった」卒業後にドイツへ渡る最注目ストライカーが県勢初6連覇に貢献

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神村学園高FW福田師王(3年)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ supported by sfida]
[11.12 選手権鹿児島県予選決勝 鹿児島実高 1-2 神村学園高 白波スタ]

 エースの面目躍如だった。第101回全国高校サッカー選手権の鹿児島県予選決勝を制した神村学園高のFW福田師王(3年)は、先制点をマーク。さらに決勝点となる2点目の起点となる活躍で、チームを勝利に導いた。試合後の場内インタビューでは「今年1年、本当にチームに迷惑をかけてきたので、ラストで結果を残せて良かった」と話した。卒業後にドイツ1部のボルシアMGへ加入することが内定している、同世代最注目のストライカー。県勢初となる6連覇に貢献して、全国切符を勝ち取った。

 試合の前半では、積極的にクロスボールに飛び込んだ。前半9分に前半40分間では両チームで唯一となるシュートを記録したが、ヘディングしたボールはクロスバーを越えた。ボールを保持して優位に立っていたが攻め切れない展開だった前半を終えると、後半の立ち上がりに神村学園のホットラインが均衡を破った。ともに1年生の頃から主力として歩んできたMF大迫塁(3年、C大阪内定)のロングフィードで抜け出した福田は、追いすがる相手を振り切り、カバーに来た相手をかわして右足のシュートをゴールへたたき込んだ。「背後に抜ければ自分の勝ちだと思っている。あとは落ち着いて決めるだけでした」と冷静に振り返った。

 さらに後半16分、ハーフウェーライン付近でボールを受けると、福田に寄せようとした相手の逆を突いて、右サイドへ大きく展開。ツートップを組んだFW西丸道人(2年)が抜け出して、突破からシュート。逆サイドで味方がゴールへ押し込んで追加点となった。福田の役割の最たるものは得点そのものだが、常々「ゴールもアシストも、何でもできる選手になりたい」と話す万能型ストライカーで、2ゴールに関わる働きは、持ち味がよく出た部分だった。福田は「ボールをもらう前から見ていて、あそこに蹴るイメージはできていました。自分が持ったら背後に出せる。常に狙っておいてと、ずっと前から言っていた。それが今日出て良かったです」と2点目につながったプレーの手応えを語った。

 ただ、得点を手放しで喜ぶようなことはなかった。今年の選手権にかける思いは強く、自分自身に求めているレベルも高い。1年生の頃から起用されて、自分を育ててくれたチームの期待に応えられるのは、悲願の全国制覇という結果だと考えている。だからこそ「昨日の反省をして、今日はチームを勝たせるという勢いで臨みました。まだ1点しか決められていないので、そこは反省しないといけない」と、得点を決めて、決定機を演出して、勝利を収めてもなお、その視線はさらなる飛躍のための課題を捉えていた。

 今季は、最終学年。ピッチ内外でチームを引っ張る立場だ。しかし、負傷に悩まされる期間が長い上、進路を決めるためにドイツへ渡った時期もあったため、その役割を果たせていないという思いがある。先制点を決めてすぐにバックスタンドの大応援団へアピールした瞬間は、胸に熱い思いがあったという。

「最高でしたね。今年は、迷惑しかかけていない。チームにいない時間が長かったのに、それでもみんなが受け入れてくれた。最高の仲間がいたから、自分はここまで来れた。感謝したいです」

 自分のゴールでチームが勝ち、周りの人に喜んでもらえる。それこそが、福田が追い求めている光景だ。全国大会では、最注目FWとして期待がかかり、それがプレッシャーにもなる。夏のインターハイは、直前で新型コロナウイルスの陽性者がチーム内に出たことで、多くの選手がコンディションを崩したままで力を出し切れないまま初戦で敗れた。今度こそ、悲願の日本一へ。福田は「少しずつできてきているので、あとはケガをしないように気をつけたい。全国に向けてコンディションを上げて、違いというものを見せられる選手になっていきます」と力強く宣言した。

★高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチを応援するsfidaは、第101回全国高校サッカー選手権大会のオフィシャルパートナーです。


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(取材・文 平野貴也)

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