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「最初から最後まで硬かった」…昨年度全国ベスト4・高川学園、課題残すも4連覇達成!!

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4連覇を達成した高川学園高

[11.13 高校選手権山口県予選決勝 高川学園高 1-0 西京高 維新みらいふスタジアム]

 第101回全国高校サッカー選手権山口県予選決勝が13日に行われ、高川学園高西京高を1-0で下し、4年連続28回目の出場を決めた。

 前夜からの雨は12時5分の試合開始までにやんだものの、キックオフ時点で気温19・5度、湿度84・1パーセントという蒸し暑さの中で始まった一戦は、立ち上がりから双方が意欲的に相手ゴールに迫る。前半9分(40分ハーフ)に高川学園はゴール前右寄りでFKを獲得し、U-16日本代表候補のFW山本吟侍(2年)が直接狙ったが、西京の選手に当たってCKとなって決まらず。11分には西京MF佐々木大登(2年)がゴール前でシュートを放ったが、こちらも高川学園の守備陣がブロックしてCKとなった。

 しかし、じわじわと高川学園がボール支配率を高めて押し込むと、23分に先制点を奪う。CKからのこぼれ球からDF岡楓太(3年)がシュートを放つと、ゴール前で西京の選手の手に当たったとしてPKの判定。自らボールを拾いに行ってセットしたFW山本の左へのキックは、西京GK鬼武空真(1年)にコースを読まれたものの、届かない左スミへと決めて均衡を破った。

 前半の飲水タイム直前にスコアが動いたが、先制された西京も徐々にパスがつながるようになり、敵陣に攻め入る回数を増やしていく。34分にはMF石井大凱(3年)のパスが高川学園の選手に当たり、こぼれ球にMF高山真広(3年)が反応するも、素早く間合いを詰めた高川学園GK福島真斗(3年)に防がれる。その後も高い位置でのボール奪取から決定機を作りかけたが、高川学園の守備を崩し切るまでには至らない。

 西京はハーフタイムから後半の序盤にかけて選手交代で動き、8分に左からのセンタリングをFW兼益桃太(3年)が右足で合わせたが、右に外れる。高川学園も17分にFW梅田彪翔(3年)がゴール正面から右足で強烈なシュートを放つも、クロスバーをかすめて上に外れた。

 1点差のまま推移した試合は終盤、ゴール前のチャンスの応酬に。33分に高川学園は右サイドからMF佐藤大斗(2年)がシュートを放ち、西京の選手に当たったボールがゴールに向かって飛んだが、右ポストに当たって決まらず。懸命に同点を目指す西京も33分、MF森脇雄紀(3年)のセンタリングを、MF吉津諄典(2年)がGKの前に飛び込んでヘッドで合わせたが上に外れる。

 高川学園は試合終了間際、CKのチャンスも短くつないでボールをキープし、1-0で試合をクローズしようとする。西京も懸命に奪い返してゴール前まで運び、39分にはゴール前のこぼれ球からMF山下彗斗(3年)がシュートを放つも決まらず。4分と表示された後半アディショナルタイムも最後までゴールを目指したが、高川学園の守備は最後まで崩れず、1点差で逃げ切った。

 高川学園の江本孝監督は、内容について「お互いの良さを消し合う戦いになったが、最初から最後まで硬かった」とコメント。決勝点を決めたFW山本についても「今日は全く良くなかった。次の(全国での)戦いがあるので、そこで払しょくしてほしい」と発破をかけた。

 昨年度の全国大会では、セットプレーの際にゴール前の複数の選手が手をつないで輪を作り、回ってから走り出して相手のマークを外す『トルメンタ』(スペイン語で「嵐」の意味)で旋風を巻き起こし、ベスト4まで勝ち上がった。今年度はシード校として臨むことになるが、江本監督は「シード校とかは関係ない。そんな(力のある)チームじゃない」と現状を評し、「去年のチームと比べれば、不細工な試合も多い。目の前の、やらなければいけないことを徹底してできるかどうか」と本番への課題を挙げていた。

(取材・文 石倉利英)
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