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[MOM4115]日本文理FW曾根大輝(3年)_多くの人の想いを覚悟に変えた「10番で、エースで、キャプテン」が3ゴールに絡む大活躍!

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日本文理高のキャプテンマークを託されたFW曾根大輝は自ら挙げた先制ゴールに歓喜のダッシュ

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ supported by sfida]
[11.13 高校選手権新潟県予選決勝 日本文理高 3-1 新潟明訓高 デンカビッグスワンスタジアム]

 いくつもの責任の大きな役割を担った上に、全国を決める大事な一戦でチームが挙げた3つのゴールすべてに関わってしまうのだから、恐れ入る。だが、それは決して1人の力で成し遂げたものではないと、仲間の後押しがあったからだと、胸を張る表情が頼もしい。

「3点に絡んだ手応えもありますけど、決めてくれた選手に一番感謝したいと思いますし、3点目の時は自分も足を攣っていたんですけど、ああいうチャンスが来ると、自分は攣っていても走れてしまったりするので、やっぱり味方の声掛けや頑張りがあったから、そういうことができたのだと思います。今日も声援がメチャメチャ力になりました」。

 5年ぶり2回目の新潟制覇を決めた日本文理高(新潟)の10番で、エースで、キャプテン。チームスタイルの質実剛健を地で行く、頼れる男。FW曾根大輝(3年=1FC川越水上公園出身)がとうとう全国の舞台へ登場する。

 1点目は常に得点を狙う姿勢が呼び込んだ。やや押し込まれる展開を強いられていた前半10分。ペナルティエリア内で始めた相手のゴールキックに、高い集中力でプレスの機会を窺うと、ボールホルダーのバックパスが短くなった瞬間に、鋭いダッシュでボールをかっさらい、GKを外してゴールを奪い取る。「常に狙ってはいます」とは言うものの、1試合で一度あるかないかという状況のために怠らない準備が、チームに大きな先制点をもたらしてみせる。

 2点目はチャンスメイクする力が呼び込んだ。同点で迎えた後半12分。MF高橋迅(3年)のパスを左サイドへ開いて受けた曾根は、中央を見据えると“相棒”がフリーになった瞬間を見逃さず、左足でピンポイントクロスを送り届ける。FW杉本晴生(3年)のヘディングはGKに阻まれたものの、詰めたMF山田拓実(2年)がきっちりプッシュ。ゴールネットが揺れる。

「前半は相手ペースだったんですけど、まだ1-1で試合が決まったわけではなかったので、『まず落ち着いてプレーしよう』と。『自分たちのボールを大事にして、必ず決め切るところは決め切ろう』という話はしていて、それをちゃんと試合の中で示せたので良かったと思います」(曾根)。生きたハーフタイムの意志統一。日本文理は再びリードを手にすることに成功する。

 3点目は最後まで走り切れる献身性が呼び込んだ。最終盤の後半40+1分。DF阿部飛祐(3年)が右のハイサイドへ蹴り込んだフィード。オフサイドにならないようなラインとの駆け引きから、既に足を攣らせながらボールを収めた曾根は、タイミングを見計らって足裏で丁寧なパス。FW大島未月(3年)のクロスをDF小林倫太朗(3年)が確実にゴールへ流し込む。

「決勝戦で同じクラブの2人が点を獲れたことは誇りに思います」と話した曾根とは、1FC川越水上公園から6年間同じチームでプレーしてきた盟友のダメ押しゴール。ファイナルという大舞台で、全ゴールに絡む活躍を見せた曾根の躍動が、日本文理の歓喜を力強く引き寄せた。

 キャプテンとして束ねてきた今年のチームの特徴を問われると、「もちろん去年も全国に出たい気持ちは絶対にあったと思うんですけど、今年はその倍ぐらい他の選手からも気持ちが伝わってきていて、そういう面が今日の試合にも繋がったのかなと思います」とのこと。去年の選手権では言いようのない悔しさを味わった先輩たちの想いも背負い、みんなで全国出場への覚悟を募らせてきた。

 12月にはプリンスリーグ北信越での好結果を受けて、プレミアリーグプレーオフにも臨むことが決まっている。ここからも次々とやってくる大事な試合。それでも、どれだけ舞台が大きくても、どんな相手が来ようとも、“文理らしさ”を貫きながら、歴史を変えてみせる決意を曾根は固めている。

「「自分たちの“文理らしさ”は全員攻撃、全員守備なので、そこを貫こうと。文理のスタイルがそういうスタイルなので、それは全員がしっかりやらなきゃいけないところですし、それをやった上で勝利があるので、決勝でもしっかりできたのは良かったです。全国に出た代はベスト8だったので、最近は帝京長岡が全国でもベスト4に行っていますし、決勝までは行きたいと思います。ただ、他の県の決勝を見ても強度が違うので、もっと強度も練習から上げていかないといけないですし、間にプレミア参入戦も挟むので、そこでもしっかり後輩たちのためにプレミア昇格を勝ち獲って、良い形で全国大会に行きたいです」。

 日本文理の10番で、エースで、キャプテン。曾根の伸びやかなプレーと、最前線から発揮するリーダーシップは、進化を続ける彼らのさらなる躍進にとって、絶対に欠かせない。



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(取材・文 土屋雅史)

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