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[MOM4116]鹿島学園DF上原悠平(3年)_復活の決勝弾! 大会初戦後に全治1か月の怪我を負った主将が完封勝利に貢献

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鹿島学園の主将DF上原悠平

[11.13 選手権茨城県予選決勝 鹿島学園高 1-0 水戸啓明高 茨城県立カシマサッカースタジアム]

 負傷の瞬間、様々なことが頭を過った。「選手権予選はもう出られないかもしれない」。鹿島学園高を牽引してきたキャプテンのDF上原悠平(3年)にとって、この1か月はケガとの戦いだった。

 左足に違和感を持っていたものの、プリンスリーグ関東1部の戦いを続け、そのまま10月22日に選手権予選の初戦へ。だが、身体は限界を迎えていた。同30日の準々決勝後に左足太ももの肉離れと診断され、チームを離脱。普通であれば復帰までは1か月がかかる見込みだった。だが、上原は諦めなかった。チームのために仲間のために――。鈴木雅人監督やスタッフのサポートを受けながら通院し、なんとか準決勝の前日にチームに合流。対人プレーは一度もできていなかったが、スタメンでプレーし、60分間戦った。そこから再びチームを離れて治療に専念し、決勝前日に仲間の元へ。そうした状況下でチームの勝利に貢献した。

「今もガチガチに固めているんですけど、本当は1か月休まないといけないって言われていたんです。監督やスタッフの協力で治療を続けてなんとかピッチに立てる状況になった」(上原)

 様々な人の協力で間に合った決勝の舞台。ピッチに立っている以上、無様なプレーだけは見せられない。CBの位置で仲間を鼓舞しながら、身体を張ったディフェンスで相手に突破を許さない。気迫のこもった守りで水戸啓明高の攻撃を封じていく。そして、0-0で迎えた後半17分。敵陣でMF萩原駆(3年)が倒され、ペナルティキックを獲得する。キッカーはチーム内で事前に決めており、林から上原のどちらか。その中でスポットに向かったのは上原だった。

「プレッシャーはあったけど、そこまで怖くはなかった」と言い切ったチームリーダーは、自らの意思で大役に名乗り出ると、冷静に右足で流し込んだ。その後は守備の役割を全うして無失点。負傷後、一度もフル出場を果たしていなかったものの、最後までピッチに立って最終ラインを束ねた。

「今年のチームを象徴する上原が決め切ったので良かった」とは鈴木監督の言葉。指揮官も絶大な信頼を寄せるリーダーの存在なくして、3大会連続の選手権出場はなかった。高校3年間の集大成となる選手権までは約1か月半。コンディションを万全に戻し、さらなる飛躍を誓う。

「目標としては全国優勝だけど、チームとしてはベスト4がまず目標。1年生の時にみんなで誓った約束なので、そこを目指して戦いたい」

 苦しんだ先に掴み取った出場権。全国の舞台でも仲間のために誰よりも走り続けるつもりだ。
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(取材・文 松尾祐希)

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