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今大会のファーストゴールは成立学園MF陣田成琉!「また帰ってきます」国立帰還を誓う

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成立学園高の攻撃陣を牽引したMF陣田成琉(3年)(写真協力=高校サッカー年鑑)

[12.28 選手権開幕戦 成立学園高 3-2 津工高 国立]

 101回を数える冬の選手権、大会第一号となるゴールは、成立学園高(東京B)の背番号7から生まれた。

 開幕戦という重圧の中でも、成立学園は自らの哲学であるボールをつなぐことを徹底していくと、前半35分、右サイドから左サイドへサイドチェンジ、これをMF渡辺弦(3年)がおさめると、自らを追い越した左SBのDF瀧川穣(3年)へとスルーパスを送る。瀧川はドリブルで相手DFを抜いてペナルティーエリアまで進入しクロスを入れると、逆サイドのMF武田悠吾(3年)がシュートを放つ。これは津工高(三重)守備陣にブロックされてしまうが、こぼれ球を押し込んだのがMF陣田成琉(3年)だった。

 陣田のゴールを皮切りに、FW佐藤由空(3年)、渡辺がゴールを重ねて3点のリードを奪った成立学園だったが、その後津工高(三重)に2点を献上し、終わってみれば1点差で逃げ切る形になった。「前半は余裕を持って(ボールを)持てちゃったので、(後半は)持とうという選手と、(ロングボールを)蹴ろうという選手でバラつきが出てしまった」。陣田は思わぬ展開となった要因を語る。

 自身初となった国立競技場でのプレーについては、「緊張するかなと思っていたんですけど、自分の中では楽しめた」という陣田。「ピッチ入ると声も聞こえづらかったり、やりにくい部分もあったんすけど、(お客さんが)入るといないとでは自分のモチベーションも違いますし、やっていて楽しかったです」と9931人の観客の前でのプレーを楽しめたという。

 4-2-3-1のトップ下で攻撃のタクトをふるう陣田は、開幕戦でも技術の高さを随所に発揮。相手の急所を突くパスだけでなく、ときには最終ラインまで落ちてきてビルドアップにも顔を出した。

「ある程度自分のところでスペースがあったので、意外と好きなようにやれたのはあります」と初めての選手権でもらしさが出せたことは認めつつ、「何本もパス出していて、いつも通せるんですけど……」とラストパスの精度に課題があったことを挙げた。「自分がイライラしてチームが崩れることが多いので。パスとかも乱れることが多いので、コントロールして頑張ります」と2回戦以降での個人的なタスクを自身に課す。

 国立競技場での開幕戦で白星を飾った陣田は、「ここは特別な舞台なので、また帰ってきます」と、国立競技場を舞台にした準決勝に戻ってくることを誓った。

(取材・文 奥山典幸)
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