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PK戦でGK今村が2本ストップ!伝統校復活の国見が13年ぶりの選手権勝利!

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国見高が13年ぶりの選手権勝利。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[12.29 選手権1回戦 北海高 1-1(PK5-6)国見高 ニッパ球]

「新しい国見」がまず1勝! 第101回全国高校サッカー選手権1回戦が29日に行われ、優勝6回の名門・国見高(長崎)と北海高(北海道)が激突。1-1で突入したPK戦の末、国見が6-5で勝ち、13年ぶりの1勝を挙げた。

 12年ぶりに復活出場の国見は4-2-3-1システム。GK今村泰斗(3年)、右SB村田一翔(3年)、CB平田大耀(2年)、CB上田陽南太(3年)、左SB和田夢叶(3年)、中盤は濱田渉帆(3年)と21年U-17日本代表候補の北村一真(3年)のダブルボランチで右SH幸偉風(3年)、左SH中村敦貴(3年)、トップ下が川添空良(3年)、1トップに利根悠理(3年)が入った。
 
 一方、2大会連続出場の北海は4-4-2システム。GK小野寺信(2年)、右SB川合航世(2年)、CB岩井奏(3年)、CB金田凪斗(3年)、左SB栗塚優丞(2年)、中盤は西脇雄太(2年)、松永悠生(3年)のダブルボランチ、右SH桜庭平良主将(3年)、左SH佐々木遥土(3年)、2トップは田中準人(2年)と野村光希(2年)がコンビを組んだ。

 国見は黄金期のような突出したタレントはいないものの、個々の技術力が高いチーム。ボールを保持しながらショートパス、コンビネーションでボールを前進させる。そして中村と和田の連係でサイドを崩しにかかったほか、北村と川添のワンツー、北村のサイドチェンジなど「新しい国見」の姿を随所で見せて行く。

 ただし、北海は挟み込みが速く、球際の強度が高い。ガチッとボールを奪い切るシーンが多く、国見にリズムを与えない。また、攻撃面でもキープ力の高い桜庭を起点とした攻撃などからクロスへ。だが、国見も平田と上田の両CB中心に安定し、決定打を打たせない。

 前半39分、国見が鮮やかな崩しでスコアを動かす。敵陣で前を向いた川添が右ハイサイドへ展開。幸がファーストタッチで中央へ潜り込むと、最後はラストパスを利根が左足ダイレクトで合わせて1-0とした。

 北海はその直後セットプレーから怒涛の4連続シュート。だが、国見DF陣が全てシュートブロックする。北海は後半開始からボランチにMF千葉大雅(3年)を投入。11分には敵陣右サイドでインターセプトした野村がカットインでDF2人をかわして左足を振り抜く。だが、ボールはわずかに枠上。北海は相手の決定機をシュートブロックで封じた後にカウンター、連動した崩しでチャンスを作り出したが、国見は村田や北村が止めて得点を許さない。

 北海は14分にDF大森晴喜(3年)、FW岡野琉之介(1年)を同時投入。国見も22分にFW中山葵(2年)をピッチへ送り出すが、GK小野寺が至近距離からのシュートをストップするなど1点差を維持し、オープン攻撃を連発していた北海が同点に追いつく。26分、右サイドへの展開から桜庭がゴール方向へドリブルで持ち込む。寄せの甘い国見DFの隙を突いた桜庭がそのまま左足シュート。ゴール左隅へ決めて同点に追いついた。

 互いに1点を目指すが、ともに相手の堅守をこじ開けるまでには至らない。特に国見は思うようにボールを繋げず、幾度も速攻を受けるなど苦しい展開だった。その国見は36分、MF今林隆之介(3年)とFW西山蒔人(1年)を同時投入。一方の北海はPK戦直前の39分、GK葉原慶太(3年)を送り出す。迎えたPK戦は先攻国見の1人目を北海GK葉原がストップする。だが、国見はGK今村が3人目を止め返す。7人目に決着。国見は西山が決めると、直後に今村が再び止め、初戦を突破した。国見はは12月31日の2回戦で尚志高(福島)と戦う。

(取材・文 吉田太郎)
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