[12.29 全国高校選手権1回戦 東邦高 1-4 履正社高 駒場]

　自身が納得するようなパフォーマンスを披露できなかった。しかし、ゴールという結果は残した。初戦突破を決めた履正社高(大阪)MF名願斗哉(3年/川崎F内定)は「素直に安心した。ホッとした気持ちです」と安堵の表情を浮かべた。

　J1の強豪クラブである川崎F内定のドリブラー。当然、対戦相手にとって、要警戒人物となる。名願がボールを持てば東邦高の複数人が警戒してきたこともあり、簡単には持ち味を発揮できなかった。

「ボールを持つと相手が2人、3人いた。今日はなかなか仕掛けられなかったので、良かったとは思えない。自分にマークがつく分、他が空いてくると頭に入れてやっていたけど、頭の中で整理できずに失うことが多かった」

　しかし、前半35分には「自信を持ってやっている」という正確なプレースキックからチームの2点目を演出。そして、後半29分には、この日は思う存分に発揮できなかったドリブル突破で好機を生み出す。左サイドでボールを受けると深い位置までえぐってクロスを供給。ファーサイドのMF川端元(3年)の折り返しから放ったFW古田和之介(3年)のシュートのこぼれ球を押し込み、チーム3点目を記録した。

「自分がクロスを上げて中に行ったら、たまたまボールがこぼれてきた。正直ラッキーなゴールだけど、結果にはこだわっているので、そこは良かった」

　本人も「今日のプレーでは物足りない」と振り返った中でも結果は残した。次戦以降では結果を残すとともに、持ち味を発揮して観衆を魅了したいところだ。

(取材・文　折戸岳彦)

---

▼関連リンク
●【特設】高校選手権2022