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2年生で託された「10番」と「腕章」…履正社相手に意地の一発沈めた東邦DF朴勢己

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ヘディングシュートを叩き込んだ東邦高DF朴勢己(2年)

[12.29 全国高校選手権1回戦 東邦高 1-4 履正社高 駒場]

 試合終了のホイッスルが鳴り響く。東邦高(愛知)の初戦敗退が決まった瞬間となった。2年生ながらも背番号10、そしてキャプテンマークを託されたDF朴勢己(2年)は涙をこらえることができなかった。

 朴のスタートポジションはCBだった。優勝候補の一角に名を連ねる履正社高の攻撃に粘り強く対応し、184センチの長身を活かしてハイボールを撃ち返した。そして、2点のビハインドを背負って迎えた後半にはトップ下へ、さらに終盤には最前線へとポジションを移した。

「自分の売りは展開力だと思うし、どこのポジションでもオールマイティーにできるのが自分の特長だと思う。ここがやりたいというよりも、自分を使ってくれればどこでもできると思っている」

 最前線でのプレーには履正社も警戒を強め、193センチのDF平井佑亮(3年)を投入して朴を封じ込めようとした。しかし、後半アディショナルタイムにはMF原汰暢(3年)から送られたクロスに誰よりも早く反応し、ヘディングでゴールネットに突き刺す。4点のリードを許していたが、意地の一発を沈めることとなった。

「練習していた通り、原汰暢くんが良いクロスを上げてくれたので、あとは自分が合わせるだけだった。良いボールを上げてくれた原汰暢くんに感謝です」

 初めての選手権の舞台。1-4での初戦敗退は当然「悔しい」。だが、同時に「最高の舞台」だと感じられたようだ。2年生ながらも背番号10とキャプテンマークを託された男は、「今まで支えてくれた3年生とここで終わりというのは悲しい。でも、来年に向けて切り替えて、ここの舞台に戻ってこれるように、自分がチームを引っ張っていけたらと思います」と視線を前に向けていた。

(取材・文 折戸岳彦)
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