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日大藤沢の制空権を握るキーマンDFアッパ勇輝、198cm森重陽介のヘディング弾を好アシスト

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日大藤沢高DFアッパ勇輝(3年) (写真協力『高校サッカー年鑑』)

[12.29 選手権1回戦 日大藤沢 2-0 西原 等々力]

 待望の全国デビューを飾った。日大藤沢高DFアッパ勇輝(3年)はFW森重陽介(3年/清水内定)のヘディングシュートを好クロスでアシスト。「選手権の初戦という舞台で、アシストという形でチームに貢献できてうれしかったです」と喜びを語った。

 198cmの高身長を誇る森重を生かした。「相手があまり身長が高くないという情報があったので、森重の頭を狙った」(アッパ)。日大藤沢は序盤から積極的に最前線のターゲットにボールを配球。森重は巧みなトラップからチャンスを創出。前半13分にはヘディングシュートで先制点を挙げた。

 アッパは右SBでプレーした。前半16分には自らのドリブルから深い位置まで入り込むと、敵陣内に高めのクロス。森重の頭にドンピシャで合うが、惜しくもゴール左外に外れる。その後もサイド攻撃を止めず、何度も決定機を演出した。

 前半を1-0で折り返すと、後半13分にアッパのクロスが結実。スローインからFW岡西亜憐(3年)のリターンを受け、右サイドからクロスを上げる。「亜憐がいい落としをしてくれたので、森重の頭をめがけて、いいクロスを上げられた」。角度よし、速度よし。照準を合わせた森重が空高く舞い、空中戦を制す。ボールを地面に叩きつけ、ゴールに決め切った。

 日大藤沢は夏のインターハイを初戦で終えた。アッパは予選決勝に退場したため出場停止。全国の舞台に上がれず、今大会が全国デビューとなった。「インハイでずっと悔いが残っていた。この大事な初戦でしっかり勝ててよかった」。今大会で部員らの声出しが限定的に解禁され、スタンドからはエールが鳴り響く。「3年間で応援は初めてだった。最初に聞いたときは鳥肌立ちましたし、この仲間のためにも絶対に負けられないという思いがあった」。

 空中戦の覇者・森重には全幅の信頼を置く。「高校年代で、あの身長に真っ向勝負で勝てる人はいない。それはこのチームの武器。どんどん生かしていきたい」。だが、精度の高いクロスを上げられてこそ点取り屋も生きる。今大会の制空権を争うキーマンは森重だけでなく、アッパもその一人であることは間違いない。

 もともとはCBでプレーしていた。しかし自身は178cmという身長に「CB一本ではきつい」とSBも視野。「両方選択肢を持つことで、プレーの幅が広がる。両方やるようにしました」。持ち前の対人能力に攻撃力も加わり、さらなる進化を遂げた。

 高校卒業後は大学でトップレベルの戦いに加わる。その前に高校サッカー最後の舞台では当然頂点を目指す。「優勝が目標ですけど一戦必勝。日藤らしいサッカーで絶対に勝ちたい」。31日の2回戦では、米子北高と対戦する。

(取材・文 石川祐介)
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