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味方も「前向いた瞬間、行ったな」と確信。ボルシアMG内定の神村学園FW福田師王が圧巻ゴールで“不敗神話”を継続

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前半38分、神村学園高FW福田師王が左足で勝ち越しゴール。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[12.31 選手権2回戦 山梨学院高 2-3 神村学園高 等々力]

 縦パスを出したMF大迫塁(3年、C大阪内定)は「(福田が)前向いた瞬間、行ったなと」思ったという。神村学園高(鹿児島)は、同点に追いついた2分後の前半38分にFW福田師王(3年、ボルシアMG内定)が勝ち越し点を奪う。ハーフウェーライン付近でボールを受けると、圧倒的な強さで前を向いてドリブルを開始。神村学園中高の盟友・大迫が確信した通り、福田は一気に加速するとそのまま一人でPAまで持ち込み、左足シュートをゴールに突き刺した。

 10,168人が集まった等々力陸上競技場の観衆をどよめかせるような圧巻ゴール。この日1ゴールの山梨学院高(山梨)MF五十嵐真翔(2年)も「ここで、いつも通りの力を出すのは凄い」と高校最高FWの一撃に驚いていた。

 チームは追いつかれたものの、終了間際にFW西丸道人(2年)が決勝ヘッド。福田はこの日両チーム最多の7本のシュートを放ちながら1得点に終わり、「全然できなかった。まだ点が欲しかったです」と首を振ったが、彼のゴールが再び勝利に結びついた。

 福田はJリーグ10クラブからオファーを受けた逸材ストライカー。神村学園に加え、年代別日本代表候補や日本高校選抜でもゴールを重ね、その評価を高めてきた。今年は、怪我で出場時間が限られたこともあってプリンスリーグ九州の得点数は昨年の15から7へ減少。だが、ゴールを決めた5試合は4勝1分で無敗だ。また、12月のプレミアリーグプレーオフは金沢U-18(石川)戦、C大阪U-18(大阪)戦の2試合ともに決め、チームをプレミアリーグ初昇格へ導いている。

 加えて、新人戦、インターハイ予選、選手権予選の決勝で全てゴールを決めるなど鹿児島県3冠獲得に貢献。そして、初戦で3得点の九州高校総体と、決めた試合で全て白星を収めている。福田が神村学園の公式戦で決めて敗れた試合は、昨年度の選手権初戦、帝京長岡高(新潟)戦が最後だ。その後、今年は15試合以上の公式戦でゴールを決めているが、不敗。その記録を福田は全国決勝まで続ける意気込みだ。

 1万人を超える観衆の印象に残るようなゴール。チームメートの声援にも応えたFWは「応援してもらって楽しいですし、その中で自分がやらないと、という気持ちがあります」。誰よりもシュートを打ち続けて進化してきたストライカー。課題の一つとして取り組んできたドリブルでシュートを決め、選手権で3年連続のゴールを記録した。だが、「日本でしっかり海外(ボルシアMG)に行こうと思っています」と誓う福田の目標は、全国制覇と得点王。まだまだ止まるつもりはない。

(写真協力=高校サッカー年鑑)

(取材・文 吉田太郎)
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