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後半6発の大爆発で履正社が2回戦突破!! 敵将も脱帽、流れ引き寄せた変幻自在のセットプレー

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後半6発のゴールラッシュで履正社高が3回戦進出(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[12.31 全国高校選手権2回戦 盛岡商高 0-6 履正社高 味フィ西]

 第101回全国高校サッカー選手権2回戦が31日に行なわれ、味の素フィールド西が丘の第2試合では11年ぶり17回目の出場となる盛岡商高(岩手)と2年ぶり4回目の出場となる履正社高(大阪)が対戦。前半をスコアレスで折り返した試合は、後半だけで6点を奪った履正社が6-0の大勝を収めた。

 試合開始からボールを保持した履正社が、パスをつなぎながらゴールに迫ろうとする。しかし、DF大町陽斗(3年)、DF間宮友輝(3年)らを中心とした盛岡商守備陣が高い集中力を保ち、簡単にはフィニッシュまで持ち込ませない。さらに、試合開始早々にFKから迎えた危機を防いだGK小原健暉(3年)の好守もあり、前半を0-0で折り返すこととなった。

 1点を争うゲームになるかと思われたが、後半開始直後に生まれたゴールから一気に履正社が流れをつかみ取る。大きな要因となったのが、セットプレーだった。

 後半2分の先制点の場面。CKキッカーのMF名願斗哉(3年)がニアサイドのDF加藤日向(3年)にマイナスのパス送る。リターンのスルーパスからフリーとなった名願がクロスを供給すると、ファーサイドのDF西坂斗和(3年)がヘディングで叩き込んだ。

「セットプレーもトーナメントを勝っていく上では大きな要素で、事前合宿でしっかり練習した、一つ成果を、拮抗したゲームの中で出せて良かった。あれがあったから流れが変わった」(履正社・平野直樹監督)

 前半は攻めあぐねた履正社攻撃陣が、ここから一気に爆発。後半8分、右サイドを突破したMF川端元(3年)のグラウンダーのクロスを名願がヒールで流すと、西坂が強烈な左足のシュートで突き刺す。そして、再びセットプレー。同18分、CKキッカーの名願がニアサイドに送ったボールに唯一走り込んだFW古田和之介(3年)が右足で流し込み、同26分にも名願が蹴り出したCKの流れから最後はDF加藤日向(3年)が押し込み、リードを4点差に広げた。

 盛岡商の中田洋介監督も「セットプレーのパターンが豊富だったし、そういうところがプレミアリーグでやっている経験値。流れの中で取れなくてもセットプレーでしたたかに取って来るところ、その完成度も高く、優勝候補と言われているチームだと思った」と脱帽するしかなかった。

 勢いに乗った履正社は後半37分に古田のアシストからMF小田村優希(3年)が決め、同アディショナルタイムにはオウンゴールで加点。6-0の大勝を収め、佐野日大と対戦する3回戦へと駒を進めた。

(取材・文 折戸岳彦)
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