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尚志は1点が遠くPK戦で涙…仲村監督はあえて苦言「レフェリーに抗議するなんてあってはいけない」

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尚志はまたしてもPK戦で涙をのんだ(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[12.31 選手権2回戦 尚志 0-0(PK3-4) 国見 ニッパツ]

 またしてもPK戦で涙をのんだ。尚志高(福島)は試合の主導権を握りながらも国見の粘り強い守備に跳ね返され、80分間を0-0で終了。PK戦の末、3-4で敗れた。

 18年度大会準決勝の青森山田戦(3-3、PK2-4)、19年度大会2回戦の徳島市立戦(0-0、PK3-4)、21年度大会2回戦の関東一戦(0-0、PK5-6)に続き、これで直近の出場4大会はすべてPK戦で大会を去ることに。全国高校総体(インターハイ)も2年連続でPK戦の末、初戦敗退に終わっており、まさに鬼門のPK戦だった。

 今大会は1回戦の徳島市立戦に3-0で快勝し、その攻撃力が爆発。この日もMF安齋悠人(2年)、MF吉満迅(3年)の両サイドが果敢な仕掛けを見せ、立ち上がりから攻勢に出たが、1点を取り切れなかった。

 試合後、仲村浩二監督は厳しい言葉で試合を振り返った。「チームとして若い選手が多いのもあって、感情をコントロールできず、個人個人がやりたいことをやり出して、チームプレーが成り立たなくなった」。初戦に勝ったことによる慢心も指摘した仲村監督は、試合中にもレフェリーの判定に異を唱える選手を叱責する姿があった。

「高校生がレフェリーに抗議するなんてあってはいけないこと」。そう苦言を呈し、「自分たちではどうしようもないことに怒るなと常に伝えていたが……。大人になれなかった」と悔やんだ。

 スタメンに2年生が5人、名を連ねていた尚志は来季のプレミアリーグ復帰も決まっている。仲村監督は「試合には出られない3年生のサポートもあり、プレミアリーグという置き土産を残してくれた。春ごろまでは尖った状態で競わせ、選手権に戻ってくるころには心も付いてくるようなすごいチームにしたい」と、この経験を糧にすることに期待していた。

(取材・文 西山紘平)

●【特設】高校選手権2022

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