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「インハイの悔しさが痛みに勝っている」強行出場続く昌平DF津久井佳祐、貫禄の対人守備も失点シーンに悔い

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昌平高DF津久井佳祐(3年)

[12.31 選手権2回戦 昌平高 3-1 近江高 NACK]

 コンパクトな陣形から鋭いプレッシングを繰り出す近江高に対し、昌平高は普段どおりの攻撃的なサッカーを展開することはできなかったが、粘り強い守備で主導権を明け渡すこともなかった。その中心を支えたのはDF津久井佳祐(3年=FC LAVIDA、鹿島内定)。高い最終ラインを敷きながらも背後のケアを徹底し、ヒヤリとするスルーパスにも絶妙な読みで足を出すなど、ハイレベルな守備対応を常に継続していた。

 自身にとっては初めての高校選手権だったが、過度な緊張感はなかったという。「選手権が初めてなので、そもそも選手権というのがわからなかった。普通の試合だと思っていたので緊張しなかった」。堂々と振り返った津久井は「そんなに緊張しなかったことでしっかり自分のプレーができたのかなと思う。それに最初のプレーでいい感じでボールを取れて攻撃につなげられたのでそこで調子が出てきた」と手応えを語った。

 それだけに唯一の失点シーンは悔やまれた。まずは先制後の後半7分に味方のバックパスであわや失点という大ピンチを迎えていたが、「バックパスミスから流れが悪くなって、そこで流れを変えられたらよかった」と反省。そして先制後の同21分、相手のクロスボールが反対サイドに流れ、津久井はすかさずプレッシャーをかけたが、1対1で抜かれてしまった。

 そのままクロスボールを供給され、ゴール前の波状攻撃から失点。「流れを変えられないままクロスが右サイドに流れて、そこもゆるくなった。でも最後は自分が1対1で抜かれたので。1対1で抜かれなければいい話だったので、あの失点は全部自分のせい」と自身に責任の矢印を向けていた。

 夏のインターハイ準々決勝で右足首脱臼・靭帯断裂の大怪我を負い、復帰途上で迎えている最後の選手権。まだ痛みが癒えずに痛み止めを飲んで出場しているといい、この日も「後半途中までは大丈夫だったけど痛くなってきてアドレナリンで頑張った」という状態だった。

 それでも「インターハイでの悔しさが痛みより勝っているので」と覚悟の強硬出場を続けている。無理は禁物だが、3回戦は同じ優勝候補の前橋育英高戦。頼れる主将は「自分たちのやるサッカーは変わらないので、しっかり昌平らしく点を取って守って、大事に戦っていきたい」と力を込めた。

(取材・文 竹内達也)
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