beacon

大粒の涙を流したトミイチの10番…MF大矢悠太郎は大学で力をつけて4年後のプロ入り誓う「必ず恩返ししたい」

このエントリーをはてなブックマークに追加

富山一のMF大矢悠太郎

[12.31 選手権2回戦 高川学園2-0富山一 ゼットエー]

 開始5分の失点は、自身のファウルが起点となってしまった。富山一高のMF大矢悠太郎(3年)は「自分の実力不足だと思います」と話し、大粒の涙を流した。

 またも全国で勝つことが出来なかった。改修前の国立競技場で行われた最後の高校選手権を優勝している富山一だが、新国立競技場の初陣大会となった昨年度大会で初戦敗退。

 昨年まで率いていた大塚一朗前監督が、モンゴル代表の監督に就任したことで新体制になって臨んだ今季は、富山県内では相変わらず圧倒的な強さをみせたものの、インターハイ、そして選手権といずれも初戦で姿を消すことになった。

 砺波市出身の大矢は、3年間、電車で往復3時間をかけて通学した。部活動との両立は家族のサポートなくして出来なかった。「親にもたくさん迷惑をかけた。でも嫌なことを言わずに、やりたいことをやらせてくれた」。この日は両親や兄弟も全員がスタンド応援に来ていた。それだけに「恩返ししたかった」と悔しさが込み上げる。

 トミイチの10番のプレッシャーとも戦ってきた。古くは元日本代表の柳沢敦氏が背負い、近年でも横浜F・マリノスで活躍するFW西村拓真や、元日の大学選手権(インカレ)決勝に進んだ新潟医療福祉大のFW小森飛絢(千葉内定)ら、そうそうたる選手がつけてきた。

「歴代凄い方がつけてこられた10番は、試合を決めるプレーをしないといけない。その自覚はありました。今日もチャンスはあったけど決めきれなかった。10番の仕事を出来なかったのは悔しいです」

 当初、卒業後のプロ入りを目指していたが、今は関西学院大に進んで4年後のプロを目指す考えを固めている。「必ずプロになって恩返ししたい」。華のあるプレースタイルに磨きをかけることで、夢を叶える。

(取材・文 児玉幸洋)
▼関連リンク
●【特設】高校選手権2022

TOP