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前回王者・青森山田がPK戦制し8強入り!国見は今大会3試合連続のPK戦で涙

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PK戦の末、勝ち上がった青森山田(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[1.2 選手権3回戦 青森山田 1-1(PK4-2)国見 等々力]

 第101回全国高校サッカー選手権は2日、各地で3回戦を行い、等々力陸上競技場の第2試合では前回王者の青森山田高(青森)と過去6度の優勝を誇る国見高(長崎)が対戦した。試合は1-1のまま80分間で決着が付かず、PK戦に突入。青森山田がPK4-2で競り勝ち、8強入りを決めた。4日の準々決勝では神村学園(鹿児島)と対戦する。

 青森山田は2回戦の広島皆実戦(○1-0)と同じスターティングメンバーを組んだ。GK葛西淳(3年)で、4バックは右からDF渡邊来依(3年)、DF三橋春希(3年)、DF多久島良紀主将(3年)、DF西脇虎太郎(3年)。中盤はMF芝田玲(2年)とMF谷川勇獅(1年)がダブルボランチを組み、右サイドにMF小栁一斗(3年)、左サイドにDF中山竜之介(3年)が入り、MF奈良岡健心(3年)とFW小湊絆(3年)が2トップを組んだ。

 国見は2回戦の尚志戦(0-0、PK4-3)から先発一人を変更。MF川添空良(3年)が2試合ぶりに先発した。GK今村泰斗(3年)で、4バックは右からDF村田一翔主将(3年)、DF平田大耀(2年)、DF上田陽南太(3年)、DF和田夢叶(3年)。中盤はMF濱田渉帆(3年)とMF北村一真(3年)のダブルボランチで、2列は右からMF幸偉風(3年)、川添、MF中村敦貴(3年)と並び、FW利根悠理(3年)が1トップに入った。

 序盤から試合の主導権を握ったのは青森山田。前半7分、縦パスを受けた小湊が鋭い反転から前を向いて、縦に仕掛けると、その折り返しに奈良岡が右足で合わせたが、DFのブロックに阻まれ、こぼれ球を再び狙った奈良岡のシュートはゴール上に外れた。

 セットプレーも含め、圧力を強めていく青森山田に対し、国見は我慢の時間が続く。前半32分には川添に代えてFW西山蒔人(1年)を投入。早くも交代カードを切り、リズムを変えようとした。

 青森山田は前半34分、奈良岡の右クロスに小湊が右足ボレーで合わせるが、GKの正面。前線で起点となる小湊が果敢にゴールに迫った。すると前半アディショナルタイム、芝田の右CKに三橋が頭で合わせ、先制点。広島皆実戦に続く三橋の2試合連続ゴールで青森山田がリードを奪い、前半を折り返した。

 1点リードの青森山田は後半開始から中山に代わってMF高良幸之介(3年)が左サイドハーフに入る。積極的に追加点を狙い、後半3分には小栁が右サイドからドリブルで切れ込み、フィニッシュまで持ち込んだが、左足のシュートは枠を捉えられなかった。

 1点を追う国見はFW利根悠理(3年)と西山が前線で体を張り、攻撃の糸口を探る。DF村田一翔主将(3年)のロングスローなどで1点を狙うが、青森山田の堅い守りに跳ね返された。国見は後半20分にMF椛島眞於(2年)を投入。システムも3バックに代えて攻勢を強める。同27分にはFW中山葵(2年)もピッチに送り込んだ。

 すると直後の後半27分、PA左手前からDF和田夢叶(3年)が入れたロングフィードに利根が反応。DFの前に入り、後方から来たボールを左足ダイレクトボレーで叩き、値千金の同点ゴールを奪った。

 1-1の同点に追いつかれた青森山田は後半34分、ロングスローからセカンドボールを小湊が頭で折り返し、三橋がヘディングシュート。しかし、ここは国見の和田がゴールライン上でクリアし、2点目を許さない。試合は1-1のまま終盤に入り、青森山田は後半アディショナルタイム、PK戦を見据えてGKの葛西に代えてGK鈴木将永(2年)を投入した。

 すると、1-1のまま突入したPK戦でその鈴木が国見の2人目と4人目をストップ。後攻の青森山田は4人全員が成功し、PK4-2で勝ち上がった。

(取材・文 西山紘平)

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