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[MOM4183]日体大柏FWオウイエ・ウイリアム(3年)_柏内定エースがついに目覚めた!!「28番」の思い胸にベスト8進出弾

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「他の番号は大きいサイズがなかった」と選んだ15番のユニフォームの下に、28番を着込んでいたFWオウイエ・ウイリアム(3年)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.2 選手権3回戦 日体大柏高 1-0 飯塚高 柏の葉]

 初の全国高校選手権も3試合目、ついに日体大柏高のエースが目覚めた。前半20分、相手のビルドアップミスを突いたFWオウイエ・ウイリアム(3年=川崎F U-15)は冷静にGKの動きを見ながら得意の左足を一閃。グラウンダーで鋭く曲がるシュートをゴール左隅に流し込み、これが8強入りに導く決勝点となった。

 序盤は同じく初出場の飯塚に押し込まれる展開が続いたが、我慢強く主導権を取り戻した前半20分だった。

 低い位置で受けた相手MF村井天(3年)にFW吉田眞翔(3年)がプレッシャーをかけると、バックパスが弱くなってオウイエの目の前へ。「いい守備で吉田くんがハメてくれて、相手のミスを誘えてボールが転がってきたので冷静に流すだけだった」。そう冷静に振り返ったが、うまく巻いたボールがGKをかわす精度の高いシュートを沈めた。

 日体大柏は過去2試合で計5ゴールを奪っていたものの、エースのオウイエにとってはこれが初ゴール。スタンドには毎試合、来季からプレーする柏レイソルのサポーターが応援に訪れていた中、「自分だけが点を決めていない中で、点を待ってくれていたと思うし、その中で点を決められてよかった」とホッとした様子で話した。

 ゴールの後にはバックスタンドの応援団のもとへと向かい、仲間と喜びを分かち合った。「チームメートの応援だったり、連絡だったりがあると、自分がもっとやらなきゃいけないと思う。チームの分まで点を決めようと思っていた」。そこでユニフォームの下から見せたのは、もう1枚着込んでいた背番号28のブルーのシャツだった。

「寮生で一緒だったチームメートが怪我でメンバーに入れなくて、そういう気持ちを背負っているんだというのを感じながら、みんなのぶんまで背負ってやっていた」

 オウイエによると、着ていたのは負傷のためメンバー入りできなかったFW加藤瑛士(3年)のユニフォーム。「1〜2回戦は着ていなくて、今日絶対にヒーローになるんだという気持ちで着たら、たまたまボールが転がってきて点を決められた。思い通りになった」。仲間への想いが待望のゴールをもたらしたようだ。

 また後半30分には1点目と同様、自身のパスカットから強烈な左足シュートを披露。「守備はずっと大事だと言われてきて、しっかりと守備から入ってミスを誘えた」。川崎F U-18時代はサイドバック。「相手が出す方向は予測しやすい」という経験を活かした守備から会場を沸かせていた。

 その一方、得点後は前線でボールを収める役割こそ果たしたものの、ゴール前での決定機はそれほどつくれなかった。元Jリーガーの根引謙介監督は「まだまだ荒削りでできないことのほうが多い」とし、「次のステージはプロの舞台なので、そういう部分ではもっともっとやらなきゃいけない」と期待を込めて厳しい目線を送っている。

 オウイエ自身も「ヘディングに勢いを持って入っていくというのは自分の課題でもあるので、もっと本数を増やしていきたい」と190cmの体躯を活かした空中戦には伸びしろを認識。今大会での目標も高く掲げ、「ここからノリに乗って得点王を目指していきたい。あと3試合あるのでどこかでハットトリックして6点くらい決めたい」と宣言した。

 ここからはさらに相手のレベルも高まるため、規格外のストライカーの働きが試合結果に直結することが予想される。「ベスト8の舞台まで来て、いまノリにノっている。優勝を目指しているので1試合1試合勝ち上がっていきたい」。目指すは初出場での初優勝。ようやくベールを脱いだ日体大柏のエースが量産体制に入るつもりだ。

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(取材・文 竹内達也)

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