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“PK戦要員”から先発奪取の2年生守護神がPKストップ!GK平岡倖輝「先輩に恩返しできた」

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PK戦3人目、佐野日大高GK平岡倖輝が右へ跳んでストップ。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[1.2 選手権3回戦 佐野日大高 1-1(PK5-4)履正社高 駒沢]

「しっかり頑張ってきたと自分は思っているので、やっと先輩に恩返しできたのかなと」。佐野日大高(栃木)は、プレミアリーグ勢の強敵・履正社高(大阪)を相手に鉄壁と言える守備を披露。PK戦に持ち込むと、2年生GK平岡倖輝が相手3人目をストップした。

 相手のキックを読み切って右へ跳躍し、両手で完璧に弾き出した。「ちょっと自分から見て右を意識している感じがあったので、『右かな』と思い切り飛びました。PKは得意なので絶対に止めるという思いと、先輩のサッカー人生をここで終わらせたくないと思ってやりました。緊張しましたけれど、自信を持ってやりました」。このビッグセーブでリードを奪った佐野日大は5人全員が成功。強敵から白星をもぎ取った。

 平岡はPK戦に絶対的な自信を持っている。春の浦和カップではPK戦で1試合3本のPKストップ。夏のインターハイ予選準決勝では延長後半投入間際に“PK戦要員”として投入され、PK戦で2本を止めている。

 その後、平岡は努力を重ねて先発を獲得。「クロスの対応だったり、DFにコーチングとか一体感を持たせるという役目ができていると思います。3年生から『失点するなよ』みたいな圧はちょっとあったんども……(微笑)、『そんなの関係ない』と思って強く言ったり守備をしっかりさせるようなコーチングができました」。選手権予選前から先発としてゴールを守り、6年ぶりの選手権出場に貢献。そしてこの日、「平岡はPKは結構練習でも止めているので、絶対に1本止めてくれると思った」(MF籾山陽紀、3年)という期待に応え、得意のPKストップでチームを全国8強へ導いた。

 22年ワールドカップでメキシコ代表GKオチョアのPKストップを見て「試合中のPKセーブは流れを変える。凄いな」と刺激に。自身はPK戦ではあったものの、1本のシュートストップで流れを傾け、「先輩への恩返し」を果たした。目標はもっともっと上。準々決勝も勝利し、1試合でも多く先輩たちと全国を戦う。

(取材・文 吉田太郎)
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