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「チームを勝たせられなくてごめん」…FC東京内定・昌平MF荒井悠汰も認めた“前橋育英の強さ”

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昌平高MF荒井悠汰(3年/FC東京内定)(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[1.2 全国高校選手権3回戦 昌平高 1-2 前橋育英高 駒場]

 試合終了のホイッスルが鳴り響く。昌平高MF荒井悠汰(3年/FC東京内定)の高校サッカーが、終わりを告げた瞬間となった。

 31日の2回戦・近江戦では複数の選手に対応されて持ち味を発揮し切れず。結果に絡めなかったことで、「今日はみんなに助けてもらった」と語っていた。そして、迎えた3回戦・前橋育英戦。「チームを勝たせることを意識していて、ゴールはずっと狙っていた」という荒井が、いきなりネットを揺らす。

 前半3分、MF土谷飛雅(2年)が蹴り出したロングボールでFW上野旭陽(3年)が、相手最終ライン裏に抜け出す。シュートは飛び出したGK雨野颯真(2年)に防がれたが、こぼれ球に荒井が反応。迷いなく左足から蹴り出されたボールは、無人のゴールに吸い込まれて先制点となるゴールが生まれた。

「1試合目でチームに迷惑をかけていたので、今日は取ってやろういう気持ちで得点は取れた」と語りつつ、「でも、チームが勝っていないので意味がない」と続けたように、この得点がチームの勝利に結び付くことはなかった。

 攻守の切り替えで前橋育英に上回られ、前半13分と後半10分に失点したチームは1-2の逆転負けを喫した。「ボールを奪っても相手のプレスが速くて、つなげずにうまくいかなかった。相手が一歩早く行っていたし、本当に情けない感じになってしまった」と唇を噛んだように、夏の総体王者の強さを実感することとなった。

「毎日が楽しかったし、いろいろな思い出がある。仲間に申し訳ないし、チームを勝たせられなくてごめんと伝えた」

 この日、荒井の高校サッカーは幕を閉じることとなったが、新シーズンからはプロサッカーとしての歩みが始まる。「高校でたくさんのことを学べたし、経験もさせてもらえた。高校サッカー出身の選手として、(プロの世界で)活躍できればと思っています」と視線を前へと向けた。

(取材・文 折戸岳彦)
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