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神村学園の高校最強“一刀流”福田師王、マッチアップした日大藤沢FW森重陽介の“二刀流”で「やりづらかったのは…」

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神村学園高FW福田師王(3年/右)

[1.2 選手権3回戦 日大藤沢 1-1(PK3-5) 神村学園 等々力]

 今大会注目の対決となった。神村学園高FW福田師王(3年/ボルシアMG内定)と日大藤沢高FW森重陽介(3年/清水内定)は、試合開始前に交流。「がんばろうぜ」とお互いの健闘を誓っていた。

 今大会屈指のFWと名高い福田と、198cmの高身長でFWとCBをこなす“二刀流”森重が戦った。前半は互いの良さを生かし切れずにスコアレスで折り返す。後半に見せ場を作ったのは森重。後半11分、右CKをハイジャンプから頭で叩き込み、先制ゴールを奪った。

 FWの任務を遂行した森重は先制直後にCBに移動。そこで福田と森重のマッチアップが実現した。すると福田は“最強の囮”と化す。後半14分、DF吉永夢希(2年)が敵陣内に放った浮き球パスに派手に飛び込んで反応。「少しでもGKが邪魔だなと意識するようにしていた。GKの邪魔になる程度の感じで」。相手守備陣をかく乱させたところに、DF中島大誠(3年)が再びPA内へパス。ノーマークのDF大川翔(3年)がダイレクトで合わせたシュートは森重のブロックを圧し切り、ゴールネットを揺らした。

 試合は1-1のままPK戦に突入し、神村学園が接戦を制した。試合後、福田とMF大迫塁(3年/C大阪内定)は森重と改めて交流を図った。「がんばれよって言ってくれました。その分がんばらないといけない。お互いプロの舞台があるので、またそこで勝負しようと一言声をかけた。これから先も楽しみです」(福田)。

 福田は愛嬌をのぞかせながら、改めて森重の印象を語る。198cmの身長を生かした森重のヘディングシュートには「高いですね……(自分も)もう少し身長ほしいなと。みんなより頭2つ分くらいありましたよね。ちょっと分けてほしい(笑)」。FWとCBという“二刀流”も実際に目の当たりにした。やりづらかったほうを問われると、福田は即答する。

「両方じゃないですか。前にいたら起点になりますし、後ろにいたらはじくことができる。自分もいろんなポジションができたらいいと思っている。すごいなと思いました」

 2006年度以来のベスト4まで残り一勝となった。福田はここまでの自身の出来に「もっと点を決めていかないといけない」と目標を語る。「その中でチームを勝たせることが一番だと思っている。チームを勝たせながら、それで個人として得点王を目指している。自分の得点でチームを勝たせたい」。最後にはあふれる自信に胸を張った。「もっと決めるんで。見ててください」。

(取材・文 石川祐介)
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