[1.2 高校選選手権3回戦 高川学園0-2東山 柏の葉]

　DFラインの中央で奮闘したのは、1年生の県予選までサイドバックを務めていた選手だった。

　高川学園高は県予選後、本戦の組み合わせが決まると、初戦の富山一高対策として、3バックシステムを採用。そこで4バックの時は右サイドを務めていたDF沖野眞之介(1年)がストッパーの一人として抜擢されていた。

　すると思いの外、このシステム変更がハマった。大会前の練習試合などで試したが、ほぼ負けなし。そして本番の富山一高戦でもしっかりと完封勝ちを収めていたことで、より自信を深めていた。

　しかし全国上位のチームは甘くはなかった。3回戦の相手はJ1セレッソ大阪への内定MF阪田澪哉(3年)を擁す東山高(京都)。FW豊嶋蓮央(3年)やMF清水楓之介(3年)といった強力な個性を持つ攻撃陣に圧倒されてしまった。

　さらにこの日はDF岡楓太(3年)が出場停止で欠場。守備の要を欠いたことも、戦いを予想以上に難しくした。「岡さんのために頑張ると本人に伝えていた。でも相手のFWは大きくて、自分はそこに潰しに行けなかった。スピードのある選手にも負けてしまったので、課題が残ったなと思いました」。

　まだまだ若いチーム。今大会の2戦は、沖野を含め、DF西村大和とMF矢次皐の1年生3人がスタメン出場を経験。江本孝監督も「どの選手にもチャンスがあることを示せた」とチームへの好影響も語る。

「初めての舞台で戦ったけど、1年生で出ることは貴重なこと。最初は緊張したけど、先輩の掛け声もありながら堂々とプレーできたと思います。あと2年あるので、1日1日を大切に、今回の大会で出た課題と向き合って、また来年に繋げていきたい。みんなをまとめられる存在になっていきたいと思います」

　学校として昨年立った国立に戻ることは出来なかったが、未来へ向けた新たな力を積み上げた。

(取材・文　児玉幸洋)

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