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“負け試合”から学んだ大津、日本文理に3発勝利で3回戦突破!! 準々決勝で総体王者・前橋育英と激突

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3発快勝の大津高がベスト8進出(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[1.2 全国高校選手権3回戦 日本文理高 0-3 大津高 駒場]

 第101回全国高校サッカー選手権3回戦が2日に行なわれ、浦和駒場スタジアムの第2試合では5年ぶり2回目の出場となる日本文理高(新潟)と2年連続19回目の出場となる大津高(熊本)が対戦。前半30分に先制した大津が後半2点を加点して3-0の完封勝利を収めた。

 31日に行われた2回戦。シード校の大津にとっての初戦は大苦戦となった。浜松開誠館高(静岡)に先制を許すと、後半アディショナルタイムまでリードを許す展開に。しかし、後半40+4分にMF中馬颯太(3年)の得点で追い付くと、PK戦を制して3回戦進出を決めた。

 苦しい展開を制した。山城朋大監督は「前回の試合で“負け試合”を拾えたので、前回の反省をしっかりして、もっとアグレッシブに動いていかないと自分たちの良さは出ないという話した」という。そして、迎えた3回戦では「前回よりも良くなった」と積極的な姿勢を示した。

 前半30分に試合を動かしたのは、その大津だった。高い位置でルーズボールを拾ったMF浅野力愛(3年)が右サイドに展開。MF田原瑠衣(3年)のスルーパスから駆け上がったDF坂本翼(3年)の折り返しはGK日隠レックス海斗(3年)に阻まれたものの、いち早く反応した浅野が蹴り込んでスコアを1-0とした。

 大津が1点をリードしてハーフタイムを迎えると、日本文理はDF小林倫太朗(3年)とDF赤阪和輝(1年)の2枚をピッチへと送り込むとともにシステムを変更して反撃に出ようとする。実際、後半立ち上がりは日本文理がリズムをつかみかけたが、ここで大津が引き締め直した。

「前半リードする状況は自分たちの中で得意としている。良い形で、良い時間帯に点が入ったので、どうしてもこのまま行けるんだろうという雰囲気になっていた。相手がフォーメーションを変えてリアクションが遅くなっていたので、そこをやられたら危なかったけど、耐えられたことが追加点につながったと思う」

 山城監督がそう振り返ったように、DF野田翔升(3年)とDF碇明日麻(2年)の2CB、守護神のGK西星哉(3年)を中心とした守備陣が日本文理にゴールを許さずに試合を進めると、後半22分に貴重な追加点を奪取。DF田辺幸久(2年)がPA外から放った鋭いシュートのコース上にいたFW小林俊瑛(3年)が左足で流し込み、リードを2点差に広げた。

 さらに後半アディショナルタイムにはPA内に仕掛けたMF稲田翼(2年)が相手選手のファウルを誘ってPKを獲得。これをMF岩崎大翔(3年)がきっちりと沈め、大津が3-0の完封勝利で3回戦突破を決めた。

 準々決勝では、夏の総体王者・前橋育英と激突。前回大会でもベスト8で顔を合わせ、1-0の勝利を収めた大津が決勝まで駆け上がった。「前橋育英さんは、今年一番良いチームだと思う」と語った指揮官は、「初戦あのまま負けていたら、経験できなかったこと。ベスト4を懸けて(前橋育英と)戦えることを幸せに思い、頑張っていきたい」と意気込みを示した。

(取材・文 折戸岳彦)
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