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“学芸館のカンテ”MF木村匡吾「最後背中で見せれる部分がある」。3年生が後輩に全力プレーと全国4強の景色を見せる

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岡山学芸館高MF木村匡吾(左、7番)はハードワークで勝利に貢献。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[1.2 選手権3回戦 岡山学芸館高 0-0(PK5-3)國學院久我山高 駒沢]

 初の選手権8強を決めた岡山学芸館高(岡山)だが、まだ止まるつもりはない。目標はベスト4。3年生はピッチで一緒に戦う後輩や、スタンドで応援してくれる後輩に全国4強の景色を見せる意気込みだ。MF木村匡吾(3年)は、「(自分たちが4強入りすることで)後輩たちも凄く良い選手が多いので、来年良い舞台でプレーして欲しい。最後背中で見せれる部分があると思うので、もっと勝ち続けて、最後まで一緒に戦いたいです」と力を込めた。

 木村は、昨年のU-17日本高校選抜メンバーで22年インターハイでは大会優秀選手に選出されている実力派ボランチだ。この日は「もっと攻撃の形とかを作って行きたかったんですけれども、どうしても相手の10番(FW塩貝健人、3年)がとても良い選手で気になってちょっと引いたり守備がメーンになってしまった」と反省する。

 それでも、高原良明監督からMF山田蒼(3年)とともに評価されたハードワーク。木村は、「苦しい時間が多かったんですけれども、最後の最後まで粘り切ってPKは練習してきていたので、自信持ってみんなで蹴って苦しい時間が長かったですけれども、勝てて良かったです」と素直に喜びを口にした。

 抜群の運動量と万能性、強烈なシュートも武器とする“学芸館のカンテ”。昨年からレギュラーを務める木村は、チームが敗戦を経験しながら強くなっていることを実感している。「去年に比べて、スピード感、攻撃力も上がってチームとしてもまとまりがある」。昨年から積み上げて臨んだインターハイでは2年連続で準々決勝へ進出したものの、チームは帝京高(東京)に2-4で力負け。ただし、「(帝京戦では)個の技術とかで差があったけれど、それをカバーするチーム力も今日の試合では出たかなと思います」と敗戦からまた成長したことを木村は説明する。

 12月のプレミアリーグプレーオフでは、尚志高(福島)に0-2で敗戦。内容面では悪くなかったものの、細部で差をつけられた。「あの負けから練習の強度とかも凄く締まった感じになったり、選手権を意識する気持ちになって良い雰囲気に変わりました」(木村)。敗戦の悔しさをまた次につなげ、選手権でチームの歴史を変えた。

 今後の岡山学芸館のためにもさらなる白星を。高原監督は「2年生以下の生徒たちも応援席から見ることもできますし、またこういう全国でもある程度できるんだという自信が積み上がってきてチーム力がアップしていくんじゃないかなと思うので。今まで悔しい涙を流していた色々なOBがいますけれども、『それが積み重なって今の自分たちがあるということもしっかり自覚しないといけないよね』と話もして、少しずつ伝統が受け継がれて行けば良いなと思います」という。

 選手たちも後輩たちに一つでも多くのモノを残す意気込みだ。CB井上斗嵩主将(3年)は「今回で学芸館の歴史は変えられましたけれども、自分たちが目標としているベスト4はあとひとつなので、そこへ向けてもっと気持ち込めて、そこ勝ってもっと強いチームと言われるようにしっかり準備して勝ちたいです」と力を込める。

 また、木村は「(今日よりも)もっと高い位置でポジションを取って、今日は低い位置でポジションを取っていたので、(より運動量を増やして)攻撃参加してゴールに絡みたい」。3年生たちが全力で走り、戦う姿とベスト4を勝ち取る姿を後輩たちに見せる。

(取材・文 吉田太郎)
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