beacon

「今までで一番ずば抜けているFW」を封殺した岡山学芸館が初の8強、DF井上斗嵩主将「壁を越えることができた」

このエントリーをはてなブックマークに追加

DF井上斗嵩主将を中心に「ゴール前で体を張った」守備を見せた岡山学芸館高(岡山)(写真協力=高校サッカー年鑑)

[1.2 選手権3回戦 岡山学芸館 0-0(PK5-3) 國學院久我山 駒沢]

 歴史を塗り替えた。岡山学芸館高(岡山)の選手権における最高成績は2018年度のベスト16だったが、國學院久我山高(東京A)を下してベスト8進出を決めた。

「先輩たちの壁を越えることができてよかったと思います」。主将のDF井上斗嵩(3年)は、ひとつ目標を達成したことに胸をなでおろした。

 守勢に回る時間が多くなった岡山学芸館だったが、國學院久我山の3トップ中央に構えるエースのFW塩貝健人(3年)をいかにおさえられるかがひとつのポイントだと高原良明監督は見ていた。「10番(塩貝)をあまり自由にさせないっていうところで、2CBがしっかりと制限をかけながら、プレスバックの意識、数的優位をできるだけ早く作って相手を自由にさせないように」と試合に入った。

 前半立ち上がり3分には、左サイドでボールを奪われてショートカウンターを許し、塩貝へといい形でボールがわたる。塩貝は寄せてきた井上を吹き飛ばしてゴール前まで進入したが、味方へのラストパスは岡山学芸館守備陣が体を張り、シュートを許さなかった。

「今までやってきた中で一番ずば抜けているFW」(高原監督)を最大限警戒しつつ、パスやドリブルを駆使して攻めてくる國學院久我山をしのいでいった。

 ゴールマウスを守るGK平塚仁(2年)は、國學院久我山の攻撃にさらされながらも、井上とDF田口大慎(3年)を中心とした4バックに頼もしさを感じていたという。「9番、10番を中心に何回もゴール前に攻められたんですけど、たくましいCBが最後体張って守ってくれたので、シュート数も少なかったと思います。バックラインが全員3年生で、尊敬できます」と言い、指揮官も「諦めずに、しぶとく、最後までしんぼうしてくれた」と讃えた。

「本当にいっぱい練習してきたので、とにかくそれを信じて思い切ってやろう」(井上)と臨んだPK戦では、「みんなに聞く限り、あんまり(緊張は)してなかった」(井上)といい、岡山学芸館は井上も含めて5人全員が成功させた。

 過去最高成績まで勝ち進んだとはいえ、課題がなかったわけではない。「今日の試合でもあった粘り強さは続けていって、自分たちのボールを失う回数が多かったので、次は大事にしながら自分たちの強さも出していきたい」と主将は次の試合への展望を語る。

 岡山学芸館が「新チーム当初から掲げてできた全国ベスト4」(井上)まであと1勝。佐野日大高(栃木)との準々決勝は、4日12時5分に等々力陸上競技場でキックオフを迎える。

(取材・文 奥山典幸)
▼関連リンク
●【特設】高校選手権2022

TOP