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「これがサッカーなんでしょう」。國學院久我山は攻め続けるも、涙の3回戦敗退

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全国制覇を目指した國學院久我山高は3回戦で涙の敗退。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[1.2 選手権3回戦 岡山学芸館高 0-0(PK5-3)國學院久我山高 駒沢]

「1点が遠かったな、という感じですね。調子の悪いプレーヤーはいなかったんですけれども、1点が遠かったなと。逆に言えば、相手がしっかりと守っていたということなんでしょう。それを超えられるだけの技量とか、スピードとか、少しの運が足らなかった」

 國學院久我山高(東京A)の李済華監督は非常に残念そうな表情で試合を振り返った。22年度の國學院久我山は東京都1部リーグとプリンスリーグ関東2部参入戦の全19試合で得点。関東大会予選準決勝で成立学園高に0-2で敗れた試合を除くとトーナメント戦でも全ての試合で得点を挙げていた。今回の選手権予選は全試合で3得点以上。全国大会初戦も3-1で逆転勝ちと攻撃力を発揮してきた。

 この日もボールを保持。パスを繋ぎ続けて相手を押し込み、FW塩貝健人(3年)が圧倒的な推進力でゴールへ迫る。後半にはCKからFW中山織斗(3年)の放ったヘッドがポストをヒット。CB鷹取駿也(3年)が空いたスペースへドリブルでボールを運び、MF近藤侑璃(1年)が攻守でボールに係わり続ける。攻撃の時間は國學院久我山の方が断然長かったが、岡山学芸館高(岡山)GKやDF陣の好守に阻まれるなど1点が遠かった。

 李監督は「辛いですね。選手たちも我々もやれるという自信を持ってやっていたので、それが結果に表れないと非常に辛いんですけれども……。よく言われる言葉なんですけれども『これがサッカーと言えば、これがサッカーなんでしょう』」。悔しい敗戦から得た教訓。フィジカルコンタクトの強い相手に対し、寄せられる前にボールを動かすことや相手の裏を取る動きが「もっとできたら良かった」と指揮官は語った。
 
 塩貝の連続得点もストップ。涙のエースはなかなか立ち上がることができなかった。李監督は「1000点取ったペレでも点取れないゲームはあっただろうから、毎試合1点はキツイので。(ゴール前のポジションはバランスも大事だが)気持ちが強すぎたかな」とコメント。そして、「ずっと良く頑張って、チームを引っ張ってきた」と労っていた。

 最後のロッカールームで塩貝は「3年間、オマエらと一緒にサッカーできて良かった」と話したという。GK石崎大登(3年)も「このメンバーじゃなかったらここまで絶対に来れなかった」。3年生は一体感を持って戦い、東京制覇と全国16強、そしてプリンスリーグ関東昇格。全国制覇の夢は後輩たちに託す。

(取材・文 吉田太郎)
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