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岡山学芸館を初4強に大きく近づけたトリックプレー弾、山田蒼「温め続けたかいがあった」

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MF山田蒼(3年/右)らがトリックプレーを完遂

[1.4 選手権準々決勝 佐野日大 0-4 岡山学芸館 等々力]

 鮮やかにトリックプレーを完遂した。1-0で迎えた後半13分、岡山学芸館高は左CKをショートコーナーで再開。MF山田蒼(3年)ら3人が細かいパスワークからシュートまで放つと、最後はFW今井拓人(3年)がこぼれ球を押し込んだ。山田は「温め続けていた」と振り返った。

 後半13分、初のベスト4進出に大きく近づいた瞬間だった。前半12分に先制点を奪うも、前半40分間は1-0のままで後半に折り返す。同点に追いつかれれば一気に流れを失うトーナメント戦。是が非でも追加点がほしいCKの場面で、山田らはトリックプレーを敢行する。

 キッカーを務めたMF岡本温叶(3年)は「ショートに1人(山田)が来たときに、奥のMF田口裕真(2年)に誰もマークがついていなかった。行けると思いました」と振り返る。岡本は左CKを目の前の山田へのショートコーナーで再開。リターンパスを受けると、PA手前の田口に折り返す。動きは連動してPA左にボールが入ると、走り込んだ山田が右足ダイレクト。GK平岡倖輝(2年)にはじかれたこぼれ球を、今井が押し込んだ。

 練習試合で使ったきりの秘策だった。昨年2月ごろに開発されて使用する場面は訪れなかったものの、練習は欠かさず行っていた。完成度は高くなり「いつやってもいい状況ではあった。なかなか使おうというシーンがなくて温め続けていた。(得点できて)びっくり。温め続けたかいがあった」(山田)。約1年越しの努力がようやく実を結んだ。

 目標だったベスト4進出を決め、7日は国立競技場での準決勝となる。今大会2点目を挙げた今井は「夢の舞台を掴むことができた。岡山県代表としてみんなで一丸となってやっていけば、どんな相手にも勝てる」と力を込める。岡本は目標を上方修正。「やっぱりここまで来たら、全国制覇が自分たちの中で強い思いになってきている」。頂点までは残り2勝。「そこを達成して、この大会を終わりたい」と目を光らせた。

(取材・文 石川祐介)


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