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投入30秒後の1stタッチ弾!! 岡山学芸館MF木下瑠己は神村学園中出身「友達もいっぱいいる」国立で運命の再会へ

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MF木下瑠己(2年=鷲羽FC)

[1.4 選手権準々決勝 佐野日大 0-4 岡山学芸館 等々力]

 2-0で迎えた後半32分、岡山学芸館高は敵陣中央でFW今井拓人(3年)が華麗なターンから前を向き、MF山田蒼(3年)に預けると、山田は素早く左にスルーパスを送り込む。これに反応したのはわずか30秒前に投入されたばかりのMF木下瑠己(2年=鷲羽FC)。そのままダイレクトで右足を振り抜き、ファーストタッチで全国初ゴールを奪い取った。

「蒼さんがもらった瞬間、自分のところに来ると信じて走って思ったボールが来た」。ゴールシーンをそう振り返った木下にはチームメートからも「うらやましいな」との祝福。2年生ラッキーボーイは「嬉しかった」と率直な喜びを語った。

「スピードに乗ったドリブルが得意で、相手の状況をしっかり見てドリブルするのが好き」

 そんなドリブラーは兄のDF紘希さん、DF叶貴さんも岡山学芸館のサッカー部出身。紘希さんは2016年度の初出場時に全国を経験し、叶貴さんも全国出場は果たせなかったが県予選決勝まで進んだ実績を持つ。

 ともにDFだった兄たちからは「結果を出して来い」と送り出され、そのとおりの活躍を果たした。「お兄ちゃんのプレーを見て憧れて入ってきて、まさかお兄ちゃんを抜くことになってびっくりしているけど頑張っていきたい」。兄の思いを背負いながらプレーしているようだ。

 聖地・国立競技場で迎える準決勝は神村学園高との対戦。実は木下にとって、大いに縁のある対戦となる。

 木下は中学1年から3年の夏まで神村学園中でプレー。相手エースのFW福田師王(3年)やMF大迫塁(3年)は当時の先輩で、今大会ブレイク中のFW西丸道人(2年)は同期にあたる。「お兄さん二人が学芸出身で、ずっと憧れていて、こっちに来てサッカーしたいと思った」と途中で転校の道を選び、地元の鷲羽FCに加入したそうだが、高校での対戦を心待ちにしていたという。

 木下が取材に応じていた時点では、神村学園は青森山田との準々決勝を戦っている最中。0-1でビハインドを負っており、「友達もいっぱいいてやりにくいところもあるけど、準決勝は神村とやりたい」と語っていた。そんな目論見どおりのカードとなった国立決戦。岡山学芸館の誇る2年生ジョーカーは出番を待ち、友の前で輝くつもりだ。

(取材・文 竹内達也)
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