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1年生で神村学園の10番背負った名和田我空「師王さんと日本一になりたかった」

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1年生で10番を背負った神村学園FW名和田我空(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[1.7 選手権準決勝 神村学園 3-3(PK1-4)岡山学芸館 国立]

 1年生で神村学園高(鹿児島)の背番号10を任されたFW名和田我空(1年)は今大会、スーパーサブとして全4試合に途中出場した。準々決勝の青森山田戦(○2-1)では絶妙なスルーパスで決勝点を演出。この日も前半39分から途中出場し、直後の42分にクロスバー直撃のミドルシュートを放つなど攻撃を活性化させた。

 しかし、3-3という打ち合いとなる中、自身が得点に絡むプレーを見せられず、チームはPK戦の末、敗退。「3失点目は自分が外に出せば防げた失点。自分で取り返すしかないと考えていたけど、チームを勝ちに持ってこれない自分が情けない」。名和田はそう自らを責め、「全国大会ではチームの力になれなくて、悔いしか残っていない」と唇をかんだ。

 1年生の背番号10ということで注目もされたが、「10番を背負っている以上、プレッシャーとか言ってられない。チームを勝たせるところで貢献したかった」と向き合い、「今日も青森山田戦も、チームとして点が欲しいときに決めるのは(福田)師王さん。心の底からすごいなと思うし、自分もああいうふうにならないといけない」と、尊敬する先輩であるFW福田師王(3年)の背中を追いかけてきた。

 ピッチを離れても食事に連れて行ってもらうなど「コミュニケーションも一番取りやすい先輩だった。自分も後輩に慕われる先輩になりたい」と、ピッチ内外でその姿にあこがれてきた。まだあと2回、選手権に出場するチャンスのある名和田だが、「(福田)師王さんと日本一になりたかった」という本音も漏れた。

 神村学園の有村圭一郎監督も「今年の3年生の頑張りは、我々の想像を超えるものだった」と、福田、MF大迫塁(3年)ら最上級生の貢献を称え、「来年度以降の選手たちの方がもしかしたら期待できるかもしれないが、3年生の姿を見た1、2年生、そしてその姿を見て入ってくる中学生たちが、必ずまた新たなことを成し遂げてくれるのではないかと期待している」と、3年生の影響を受け、刺激を受けてきた下級生たちへの期待を口にした。

 3年生たちは置き土産として、来年度のプレミアリーグ初昇格も決めた。プレミアリーグでの戦いとともに、悲願の日本一を目指すチームの中心として期待される名和田は「チームの柱になって戻ってきて、メダルの色を金色に変えられるように頑張りたい」と誓った。

(取材・文 西山紘平)

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