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DF井上斗嵩を中心に「枚数増やしてとろう」、岡山学芸館は超高校級FW福田師王に対抗

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岡山学芸館はFW福田師王に対しDF井上斗嵩(4番)を中心に粘り強く対応(写真協力=高校サッカー年鑑)

[1.7 全国高校選手権準決勝 神村学園高 3-3(PK1-4)岡山学芸館高 国立]

 岡山学芸館高(岡山)にとって初めての挑戦となる選手権準決勝。対する神村学園高(鹿児島)のエースストライカーである、FW福田師王(3年=ボルシアMG内定)への対策が、この試合のポイントのひとつだった。

「福田くんにはかなり警戒してました」と試合後の会見で明かした高原良明監督は、「距離感と、どれだけ数的優位を作れるか。1対1のところで粘って、できるだけ時間をかけて周りのサポートが戻れる時間をしっかり作りなさい」と選手たちに指示をしていたという。

 DF田口大慎(3年)とともにセンターバックに入ったDF井上斗嵩(3年)は、2トップの一角である福田への対策を「とにかく競ることは意識して。そうしたらボールが離れると思うんで、そこでプレスバックしてくるボランチだったり、枚数増やして(ボールを)とろうという話はしました」と個に優れるFWに対して、組織で守ることを念頭に置いていた。

 世代を代表するストライカーのプレーは想定を越えてきたと井上は語る。「自分が全力でジャンプしても胸で押さえてきたり、今までやってきた中でも本当に強力なFWだと思います」。足元のボールだけでなく、浮いたボールでも、やすやすとおさめてしまう福田に舌をまいた。

 それでも、岡山学芸館守備陣は福田に粘り強く対応。「1個1個の競り合いだったり、そこのバトルは勝ちを目指してやってます」。主将の井上は、「勝利への執着心」がその根底にあり、それが躍進の原動力だと確信している。

 準決勝と同様に、相手ストライカーに最大限警戒して臨んだのが3回戦の國學院久我山戦だった。國學院久我山では無失点におさえたものの、パスワークで崩す攻撃はなりをひそめ、シュート2本の無得点に終わっていた。この日は福田にゴールを許し、計3失点を献上したものの、相手守備陣を崩して3得点を奪ってみせた。

 PK戦を制した岡山学芸館は、岡山県勢として作陽高以来16年ぶりに決勝へと駒を進めた。岡山に優勝旗を持ち帰るまであと1勝。東山高(京都)との決勝は、9日14時5分にキックオフを迎える。

(取材・文 奥山典幸)
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