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「一番組んできた」ボランチコンビが国立で再結成…出場停止明けの大津MF浅野力愛は感謝のフル出場

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大津高MF浅野力愛(3年)

[1.7 選手権準決勝 東山 1-1(PK4-2)大津 国立]

 仲間に感謝し、国立競技場のピッチを踏みしめた。大津高MF浅野力愛(3年)はフル出場。準々決勝は出場停止で欠場していたが、準決勝で復帰を果たした。「ここまで連れてきてもらって感謝しかない」と思いを込めた。

 仲間の助けを借り、準決勝で再びピッチに戻った。2回戦と3回戦でそれぞれイエローカードを受け、累積警告で出場停止。準々決勝は外から見守った。だが仲間たちが「力愛が出れなくて終わらせられない」と奮闘。接戦を制し、浅野の出場停止が明ける準決勝まで道を拓いた。

 ボランチでフル出場した。セットプレーのキッカーを務め、攻撃面でチャンスを創出。守備ではMF井伊虎太郎(3年)と中盤に張る。井伊は2回戦で負傷により途中交代。一時歩けない状態で3回戦はベンチ外となっていた。しかし準々決勝は不在の浅野の穴を埋めるべく、痛み止めを服用して先発出場。そして、準決勝では浅野と井伊が2試合ぶりにコンビを組んだ。

 後半7分、大津は東山高にクロスを上げられるが、浅野がブロック。さらにこぼれたボールを今大会2得点記録のFW豊嶋蓮央(3年)に鋭いシュートを打たれる。だが、再び立ちはだかったのは浅野。ハンドにならないように両手を背中で組み、捨て身で渾身のシュートを浴びた。守り切った直後、近くにいた井伊と力強くハイタッチをした。

「この一年間、井伊とは一番組んできた」(浅野)。頼れる相棒・井伊は攻撃面で力を発揮し、前半39分には先制ゴール。攻守においてボランチコンビが躍動した。だが、その後は追加点を奪えず同点に追いつかれる。PK戦で屈し、浅野の高校サッカーは幕を閉じた。

 大会初戦は前回大会準優勝というプレッシャーに苦しめられ、PK戦の末に辛勝。3回戦では浅野のゴールも含む3得点で快勝したが、準々決勝はスコアレスでまたPK戦で勝ち進んだ。「この大会はもうちょっと自分たちの良さを出せればよかった」(浅野)。だが、試合後には晴れやかな表情ものぞかせた。「優勝を目指してやってきたけど、国立に立てて、少しは恩返しできたかなと思う」。すべてを出し切れたこの瞬間に、感謝を示した。

(取材・文 石川祐介)
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