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目標はゴールから日本一に…選手権の頂きに挑む東山のC大阪内定MF阪田澪哉

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東山のエースMF阪田澪哉(3年)(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[1.7 選手権準決勝 東山 1-1(PK4-2)大津 国立]

 東山高(京都)にとっては、準々決勝から2試合連続となるPK戦。10番を背負うMF阪田澪哉(3年=C大阪内定)は、準々決勝・日体大柏戦でもPK戦で2番手を務めた。

「左によく飛ぶというのは聞いていた」と大津高(熊本)のGK西星哉(3年)についての情報は入っていたという。実際、2回戦(浜松開誠館高)、準々決勝(前橋育英高)のPK戦で、GK西は左に飛んでPKを3本ストップさせていた。それでも、阪田は同方向へのシュートを決断する。「少し怖さはあったんですけど、自分がしっかり決断して迷わず蹴れば絶対入るという自信はあった」。阪田の右足から放たれた、速く、低い弾道のシュートはゴールネットを揺らし、重責を果たした。

 その後、PK戦を4-2で制した東山が、同校としては初、京都勢としては京都橘高以来10年ぶりとなる決勝進出を決めた。

 阪田にとっては2回目の選手権だ。昨冬の選手権は、同年夏のインターハイで優秀選手、冬にはU-17日本高校選抜に選出された中で迎え、初戦の市立長野高(長野)戦で右45度の位置から強烈な決勝点を決めて、東山に選手権初勝利をもたらした。その後、準々決勝では圧倒的強さで優勝をさらった青森山田高(青森)を右サイドからドリブルで苦しめる活躍を見せたが、チームはベスト8で涙をのんだ。

 阪田は選手権の大会優秀選手、日本高校選抜に選出。そして、22年3月には翌年のC大阪への加入が発表されるなど、世代を代表するアタッカーだ。

 注目選手として臨む今大会で、ゴールは2回戦の聖和学園高(宮城)戦での1得点のみと物足りなさがあることは否めない。しかし、「自分はサイドの突破だけではないので。ゲームを作ったり、右サイドにだけじゃなくて左サイドでも仕掛けるところでもあるので、自分の良さは少しは出せている」とチャンスメイクでチームに貢献している。

「選手権という舞台でのゴールを目標にやってきた」と語っていた昨年度から一転、今年度は「チームを勝たせられるような選手になるという目標がある」と阪田は語る。「チームが勝つように、日本一取れるようにやっていきたい」。東山の背番号10は、京都府に洛北高以来55年ぶりの優勝旗を持ち帰るつもりだ。

 決勝では旧友との対決も待っている。対戦校の岡山学芸館高(岡山)のMF木村匡吾(3年)とは、U-17日本高校選抜でともにプレーしていて、交流を深めていたという。準決勝第1試合を戦い、いち早く決勝進出を決めていた木村に「『おめでとう』という言葉をかけた」。決勝の舞台に駒を進めた阪田は、「匡吾くんには負けられない」と、9日に控える決勝へ気合いをみなぎらせた。

(取材・文 奥山典幸)
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