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鮮烈弾決め、ボランチで選手権得点王も…東山MF真田蓮司「やっぱり得点王よりも日本一になりたかった」

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東山高MF真田蓮司は国立決勝で同点ゴールを決め、大会得点王に。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[1.9 選手権決勝 岡山学芸館高 3-1 東山高 国立]

 国立決勝でファインゴールを決め、ボランチながら大会得点王(他4人)。だが、東山高(京都)MF真田蓮司(3年、U-17日本高校選抜)は、「結果残すことは一年間取り組んできたことでもあるので。でも、やっぱり得点王よりも日本一になりたかったですね」と悔しがった。

 0-1とリードされて迎えた前半44分、東山は左サイドを抜け出したFW北村圭司朗(3年)がPAまで持ち込んでマイナスのラストパス。これを真田が右足ダイレクトで叩く。PA外側から放たれた一撃はクロスバーの下側を弾いてゴールに吸い込まれた。

「シュート練習は常にやっていたんですけれども、まさかこの国立の舞台で良いシュートを決めれるとは思っていなかったですね」と真田。思うような試合展開ではない中で決めた一撃だった。

 今年度の東山はボールを持てる部分が大きな特長だ。真田はその中心人物だが、この日は全体的に攻め急いでしまった部分があったと考えている。そして、オウンゴールで先制されて1点を追う展開になってしまった。

「応援してくれる仲間もいるのでこんな不甲斐ない試合で終わらせたくないというのがあった」という思いも込めて決めたファインゴール。チームを勢いづけるゴールだったことは間違いない。ただし、再びリードされた状況で真田は2度目の決定機を活かせず。それを悔しがっていた。

 後半14分、PAでこぼれ球を拾ったMF阪田澪哉(3年、C大阪内定)がエンドライン際へ持ち出してラストパス。真田は再び右足ダイレクトで狙ったが、枠を外してしまう。「あそこで自分が決めておけばというのがあるんですけれども、決めたかったですね……シンプルに。自分たち、負ける時ってこういう形で決定力を課題にしてきて、自分も外してしまったり、あと一歩のところで決めれなかったりで、そういう課題にしていた部分が良くなかった」。

 この日、東山は岡山学芸館高(岡山)の6本を上回るシュート10本。真田は後半24分にもミドルシュートのこぼれを右足で狙ったが、GKに処理されてしまった。チームとして、個人としても課題としてきた決定力の部分が、岡山学芸館とのわずかな差になってしまった。

 1年前に掲げた日本一にはあと一歩届かなかった。真田は前回大会よりも良いプレーをすることができたという実感を持っている。この日も中盤でボールを失わない力を発揮し、切り替えの速い攻守を見せていた。ただし、目標のプロ入りを果たすためには強烈な武器が必要だと自己分析。それを強豪・関西大での4年間で身に付ける意気込みだ。

「(今大会では)ドリブルだったり自分の特長が出せていたんですけれども、もっと上に行くためには守備の部分であったり、最後決め切るという部分を上げていかなければプロにはなれないと思いますし、(阪田)澪哉みたいな特長というのを自分も大学で身につけていかないといけない。得点であったり、簡単にボール奪われないとかゴールに係われる選手になっていきたい」。選手権得点王を獲得したボランチは、準優勝に終わった悔しさを忘れずに成長し、夢を叶える。 

(取材・文 吉田太郎)
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