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「絶対、神様は君たちに微笑むから」…名門・星稜をPK戦の末に撃破!! 新興勢力・金沢学院大附が選手権初出場に王手!!:石川

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決勝進出を決め、喜びを爆発させる金沢学院大附高の選手たち

[10.26 高校選手権石川県予選準決勝 星稜高 1-1(PK2-4) 金沢学院大附高 ゴースタ]

 第103回全国高校サッカー選手権石川県予選準決勝が26日に行われ、5年連続33回目の出場を狙う星稜高と初出場を目指す金沢学院大附高が対戦。前後半で決着が付かず、PK戦までもつれた一戦は1-1(PK4-2)で金沢学院大附が勝利した。

 ザスパ草津(現ザスパ群馬)の守護神だった北一真監督が指揮官に就任した16年から本格強化がスタートした金沢学院大附。昨年はインターハイ初出場を果たした石川の新興勢力が悲願の選手権初出場にまた一歩前進した。

 今年の3年生は入学時から繋ぐサッカーを徹底してきた代。北監督が「自分たちでしっかり(ボールを)動かして、相手を突いていこうと話していた」と話す通り、県勢最多の選手権出場回数を誇る星稜が相手でも積み上げてきたスタイルは揺るがない。序盤から技術力の高いMF今鷹陸(3年)とMF小林和哉(3年)のダブルボランチを交え、自陣から徹底してパスを繋ぐと前半14分には中央でのパス交換から小林がドリブルで前進。ゴール前にスルーパスを送るとMF岡山拓未(3年)が反応したが、並走したDFに遮られた。

 ポゼッションで主導権を握ったこと、失っても上手く前で奪えていたことで相手のパワフルな攻撃を受けずに済んでいたが、星稜は一瞬の隙を逃さない。27分には中盤でのボール奪取からFW南慶士郎(3年)がシュートを放ち、CKを獲得。MF丸山京佑(2年)が上げたクロスをMF北方陽己(3年)がヘディングで合わせ、星稜が均衡を崩した。

 追い掛ける展開を強いられた金沢学院大附だが、チームに焦りの色は見られない。「セットプレーでやられるのは想定内だった。1-0で勝とうとは思っていなかった」と話すのは北監督だ。足元へのパスが多くなっていた前半の反省を踏まえ、後半は相手のスペースを突く長いボールを意図的に増やすと、後半2分には狙いが見事にハマる。

 左サイドのDF油野瑛斗(3年)からのパスにゴール前の今鷹が反応。「トラップでよいところにボールが置けたのであとは降り抜くだけだった」と振り返る左足シュートが決まって同点に追いついた。1-1となってからも見せ場は続き、28分にはDF氷見悠翔(2年)の縦パスを受けた小林がゴール前に進出。GKをかわしかけたが、シュートは打ちきれない。1-1のまま迎えた延長前半4分には、クリアボールを相手ゴール前で拾ったFW家邉凜太朗(2年)がゴールを狙ったが、シュートは枠を捉えることができず、勝負の行方はPK戦に委ねられることになった。

 ここで活躍したのは「絶対勝つんだ、3年生をまだ引退させないという気持ちでプレーして、ワンプレーごとにしっかり気持ちを込めてプレーしていた」と口にするGK石山アレックス(2年)。相手の2本目のキックは勢いよく右に飛び過ぎたせいで、真ん中に決められそうになったが、残した手で防ぎストップ。この結果、金沢学院大附が1-1(PK4-2)で勝利した。

 今年の選手はオフの日でもグラウンドに出て、ボールを蹴る選手が多い。試合に出ている選手、出ていない選手関係なく3年生の多くが大学でもサッカーを続けるという。そうした“サッカー好き”の多さはチーム力に繋がっており、「ゲームに出られないサブも凄く良い紅白戦をやってくれる。すごく一体感が出てきて良いチームになってきたと感じています」(北監督)。

 1年生の頃からポゼッションスタイルを志向するが、入学時は全員が上手い選手というわけではなかった。日々の練習によって成長していった選手が多く、北監督は「サッカーの努力に関しては、この子たちはどこの高校よりもやっていると思っている」と胸を張る。選手たちの努力を認めているからこそ、この日の試合前は「絶対、神様は君たちに微笑むから今日は頑張ろう」と話したというが、この日はまさに神様が微笑んでくれた試合だったのは間違いない。今年の金沢学院大附なら決勝でも神様が微笑んでくれるだろう。

(取材・文 森田将義)

●第103回全国高校サッカー選手権特集
森田将義
Text by 森田将義

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