[選手権]「オマエのせいじゃない」。仲間とともに前を向いてきたGK松田駿主将、青森山田を県29連覇へ導く
[11.2 選手権青森県予選決勝 八戸学院野辺地西高 1-2 青森山田高 カクスタ]
「もうほんとに3年の気持ちを背負って、でも、自分が何としても勝ってやろうっていうのも思っていたんで。なかなか難しい展開にはなりましたけど、勝てた時は、ほんとに心の底から嬉しかったかなっていう風に思います」
29連覇達成を告げるホイッスルが鳴った瞬間、青森山田高のGK松田駿主将(3年=前橋FC出身/岡山内定)は静かに両拳を握りしめた。インターハイ予選決勝で八戸学院野辺地西高にPK戦で敗れ、青森県内での公式戦連勝が418でストップしてからちょうど5か月。人一倍責任を感じていたという主将はまず、仲間たちに感謝した。
インターハイ予選決勝は序盤に失点し、追いついたものの、PK戦で敗戦。「夏負けた時に、本当に『自分のせい』っていうのは分かっていましたし、失点っていうのはやっぱ自分に原因があるっていうのは分かっているんで。でも、3年生全員の前でも謝った時に、そこで3年生が『オマエのせいじゃない』『やっぱオマエだけじゃなくて、オレらも悪かった』っていう風に言ってくれた時に、自分で抱えすぎない方がいいんかなっていうのはそこで改めて感じて、ほんとに『この仲間で全国取りたい』っていう気持ちが高くなった」と明かす。
“歴史的敗戦”とも評された1試合から立ち直ることは簡単なことではない。それでも、正木昌宣監督が「嫌われ役もやる」「本当に凄い」「(その存在によって)彼らも助かっている」と評した松田が、FW深瀬幹太(3年)らとともにチームを背中で引っ張ってきた。ピッチ外では人一倍仲間たちを笑わせるようなキャラクターだが、「やる時はやってくれるキャプテンだと思います」(DF菱田一清/3年)という主将は強い責任感とリーダーシップ。自身もプレーヤーとして、人間として成長して選手権での雪辱勝利、県予選29連覇を達成した。
この日は前半10分に失点も、同26分のピンチで松田はゴールから大きく飛び出して1対1を阻止。自分が「出なくてもいい」というシーンであったが、味方の守備が甘くなったところで主将が自ら埋めてチームを鼓舞する。
「距離も結構ありましたけども『狙う』って決めたんで、そこからはフルスピードで行けて、何とか身体に当てられたっていうのは良かったかなと思います」。特に前半は速攻からゴール前のシーンを作られていたが、U-18世代屈指の守護神・松田が的確なキャッチングで相手の流れを止めた。
松田はその後も、焦れずに最後方からチームをサポート。そして後半26分、松田のパントキックから左CKを獲得。そこからの連続CKで同点に追いつくと、34分に勝ち越し点が決まり、逆転勝ちを果たした。
前日には試合に出られない3年生が自分たちのために作成してくれた映像を見て、「3年間、自分がやってきたことっていうのが思い出したり、『自分だけじゃないな』っていうことを強く感じました」。その思いに応えて優勝。試合後は松田の「日本一を」の掛け声から勝利の歌、『We are green』をスタンドの仲間たちと大合唱して喜びあった。
チームはここから、現在EASTで2位のプレミアリーグと選手権の2冠に挑戦。進路である岡山のサポーターに、大舞台での活躍を見てもらいたいという思いも松田は抱いている。
「岡山の人も少なからず見てくれてると思うんで、期待に応えるっていうのもそうですけど、自分がこういうプレーができるっていうのは今のうちからアピールもしたいっていう部分もあります。合流した時に自分を見てもらいたいっていうのももちろんですけど、自分のストロングっていうのを今のうちから把握してもらえれば、チームの人も馴染みやすいかなっていうのもあるので、どんどん、どんどん自分をアピールしながらチームを勝たせられればなっていう風に思っています」。成長を止めずにここからの数か月を過ごす意気込み。青森山田のリーダーが、仲間たちとともに日本一を勝ち取り、岡山でのプロ生活に臨む。






(取材・文 吉田太郎)
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「もうほんとに3年の気持ちを背負って、でも、自分が何としても勝ってやろうっていうのも思っていたんで。なかなか難しい展開にはなりましたけど、勝てた時は、ほんとに心の底から嬉しかったかなっていう風に思います」
29連覇達成を告げるホイッスルが鳴った瞬間、青森山田高のGK松田駿主将(3年=前橋FC出身/岡山内定)は静かに両拳を握りしめた。インターハイ予選決勝で八戸学院野辺地西高にPK戦で敗れ、青森県内での公式戦連勝が418でストップしてからちょうど5か月。人一倍責任を感じていたという主将はまず、仲間たちに感謝した。
インターハイ予選決勝は序盤に失点し、追いついたものの、PK戦で敗戦。「夏負けた時に、本当に『自分のせい』っていうのは分かっていましたし、失点っていうのはやっぱ自分に原因があるっていうのは分かっているんで。でも、3年生全員の前でも謝った時に、そこで3年生が『オマエのせいじゃない』『やっぱオマエだけじゃなくて、オレらも悪かった』っていう風に言ってくれた時に、自分で抱えすぎない方がいいんかなっていうのはそこで改めて感じて、ほんとに『この仲間で全国取りたい』っていう気持ちが高くなった」と明かす。
“歴史的敗戦”とも評された1試合から立ち直ることは簡単なことではない。それでも、正木昌宣監督が「嫌われ役もやる」「本当に凄い」「(その存在によって)彼らも助かっている」と評した松田が、FW深瀬幹太(3年)らとともにチームを背中で引っ張ってきた。ピッチ外では人一倍仲間たちを笑わせるようなキャラクターだが、「やる時はやってくれるキャプテンだと思います」(DF菱田一清/3年)という主将は強い責任感とリーダーシップ。自身もプレーヤーとして、人間として成長して選手権での雪辱勝利、県予選29連覇を達成した。
この日は前半10分に失点も、同26分のピンチで松田はゴールから大きく飛び出して1対1を阻止。自分が「出なくてもいい」というシーンであったが、味方の守備が甘くなったところで主将が自ら埋めてチームを鼓舞する。
「距離も結構ありましたけども『狙う』って決めたんで、そこからはフルスピードで行けて、何とか身体に当てられたっていうのは良かったかなと思います」。特に前半は速攻からゴール前のシーンを作られていたが、U-18世代屈指の守護神・松田が的確なキャッチングで相手の流れを止めた。
松田はその後も、焦れずに最後方からチームをサポート。そして後半26分、松田のパントキックから左CKを獲得。そこからの連続CKで同点に追いつくと、34分に勝ち越し点が決まり、逆転勝ちを果たした。
前日には試合に出られない3年生が自分たちのために作成してくれた映像を見て、「3年間、自分がやってきたことっていうのが思い出したり、『自分だけじゃないな』っていうことを強く感じました」。その思いに応えて優勝。試合後は松田の「日本一を」の掛け声から勝利の歌、『We are green』をスタンドの仲間たちと大合唱して喜びあった。
チームはここから、現在EASTで2位のプレミアリーグと選手権の2冠に挑戦。進路である岡山のサポーターに、大舞台での活躍を見てもらいたいという思いも松田は抱いている。
「岡山の人も少なからず見てくれてると思うんで、期待に応えるっていうのもそうですけど、自分がこういうプレーができるっていうのは今のうちからアピールもしたいっていう部分もあります。合流した時に自分を見てもらいたいっていうのももちろんですけど、自分のストロングっていうのを今のうちから把握してもらえれば、チームの人も馴染みやすいかなっていうのもあるので、どんどん、どんどん自分をアピールしながらチームを勝たせられればなっていう風に思っています」。成長を止めずにここからの数か月を過ごす意気込み。青森山田のリーダーが、仲間たちとともに日本一を勝ち取り、岡山でのプロ生活に臨む。






スタンドの仲間たちと『We are green』の大合唱
(取材・文 吉田太郎)
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