[選手権]苦しいシーズンも市立船橋が流経大柏相手に見せた意地と底力。惜敗を糧とし、“勝ちに相応しい”チームへ
名門・
[11.9 選手権千葉県予選準決勝 流通経済大柏高 4-3(延長)市立船橋高 柏の葉]
名門校の意地と底力を感じさせるような100分間だった。流通経済大柏高とのライバル対決に臨んだ市立船橋高だが、立ち上がりの前半4分、不用意な守備対応でPKを与えて失点。さらに6分にも相手のロングボールからシュートへ持ち込まれ、ポストの跳ね返りを決められてしまう。
いずれも防げたような失点。市立船橋は選手権優勝5回、インターハイ優勝9回を誇る名門校だが、今季はインターハイ予選準々決勝で敗れ、プレミアリーグEASTでも第5節から14連敗中だ。決して力がない訳では無い。どこかで1つ勝っていれば、浮上してきた可能性がある。それでも、堅守・市立船橋がリーグ戦18試合中17試合で2失点以上を喫し、ここまで2分16敗。すでに最下位と来季のプリンスリーグ関東1部への降格が決まっている。
不振のシーズンを過ごす中で選手、スタッフ、関係者が一丸となって目指してきた選手権予選。その大一番で最悪の入りとなった。だが、市立船橋は折れることなく、ここから巻き返してみせる。
前半12分、キャプテンマークを巻いたMF小川夢成(3年)の左FKを10番FW山本一誓(3年)が頭で追撃ゴール。同22分に相手DF増田大空(3年/磐田内定)のスーパーゴールによって再び突き放されたが、2点差のまま食らいついた。
この日、存在感のある動きを見せていたMF福田一平(2年)が中盤で強度の高いプレーを継続。ボランチコンビを組むMF孫本晟馬(2年)とともにプレスバックを徹底した。また、DF牧野歩(3年)、DF篠崎健人(2年/U-17日本代表)、DF野地透生(3年)の3バックやGK辰侑樹(3年)が相手の縦に速い攻撃やコンビネーションによる崩しに対応する。
そして、孫本や左WB小林空翔(3年)の配球などから攻め返し、FW勝又悠月(2年)を加えた後半は勝又と右WB左近作怜(3年)が右サイドのスペースを効果的に活用して押し返した。
7分、右サイドから仕掛け、勝又のラストパスからFW佐々木瑛汰(2年)が決定的な右足シュート。直後の8分には野地の縦パスから、佐々木が相手のわずかな隙を突いて左足シュートを決める。
1点差となるゴールに観衆5,521人のスタンドからは大歓声が巻き起こった。流れは市立船橋。各選手が球際、切り替え、運動量の3原則を表現し、佐々木へのロングボールから勝又や山本がこぼれを拾って仕掛けようとする。19分には小林の左クロスから山本がヘディングシュート。直後には山本が右サイドへ抜け出し、GKの意表を突くミドルシュートで相手ゴールを脅かした。
そして、32分、牧野が自陣でのルーズボールをクリアせずに落ち着いて右へパス。左近作の縦パスは相手DFに阻まれたが、勝又が奪い返してPKを獲得する。このPKを山本が右足で決め、ついに2点差を追いついた。
スタンドの控え部員にも勇気を与えるような戦い。波多秀吾監督は「粘り強く、我慢強く、よくやってくれましたし、流経さんの力強さ、逞しさに後半以降はほんと怯むことなく、互角以上の戦いができたんじゃないかなという風に思います」と評した。
また、流経大柏の榎本雅大監督も「飲み込まれました。市船さんの気迫がやっぱ凄かったですね」と認めるような戦いだった。この後、互いにゴール前のシーンを作り出したが、スコアは動かずに延長戦へ。積極的に交代カードを切る市立船橋は延長前半、CKから4点目のビッグチャンスを迎えたが、決め切ることができない。逆に延長後半10+2分、自陣PAへのボールをクリアし切れず、流経大柏FWオゲデベ有規(3年)に決勝点を献上。激闘の末、3-4で涙を呑んだ。
市立船橋は流経大柏相手に強度で負けず、2点差を追いつく驚異的な粘り。流経大柏の選手たちも「リーグとトーナメントではほんとに別チームっていうぐらい違うチーム」「タフでした」というほどの強さを見せた。
だが、選手権も予選敗退。波多監督は「リーグ戦でなかなか勝てていないので、苦しいシーズンでしたけども、今日勝てなかったのも含めて全てが足りなかったなって私自身も反省すべきところがいっぱいありますし、選手も振り返ってみて、まだまだ勝ちに相応しい、そういうチームじゃないんじゃないかなというところは感じさせられたと思います」と説明する。
インターハイ予選、プレミアリーグEASTを含めて今季10度目の1点差負け。プレミアリーグEAST首位の鹿島ユースとも1点差のゲームをしているが、今回もまた惜敗に終わった。2年ぶりの選手権出場を逃した名門校は、流経大柏戦の敗戦も糧に。3年生たちの意地と涙を見た1、2年生たちが、努力を重ねて来年、“強い市船”を必ず取り戻す。






(取材・文 吉田太郎)
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名門校の意地と底力を感じさせるような100分間だった。流通経済大柏高とのライバル対決に臨んだ市立船橋高だが、立ち上がりの前半4分、不用意な守備対応でPKを与えて失点。さらに6分にも相手のロングボールからシュートへ持ち込まれ、ポストの跳ね返りを決められてしまう。
いずれも防げたような失点。市立船橋は選手権優勝5回、インターハイ優勝9回を誇る名門校だが、今季はインターハイ予選準々決勝で敗れ、プレミアリーグEASTでも第5節から14連敗中だ。決して力がない訳では無い。どこかで1つ勝っていれば、浮上してきた可能性がある。それでも、堅守・市立船橋がリーグ戦18試合中17試合で2失点以上を喫し、ここまで2分16敗。すでに最下位と来季のプリンスリーグ関東1部への降格が決まっている。
不振のシーズンを過ごす中で選手、スタッフ、関係者が一丸となって目指してきた選手権予選。その大一番で最悪の入りとなった。だが、市立船橋は折れることなく、ここから巻き返してみせる。
前半12分、キャプテンマークを巻いたMF小川夢成(3年)の左FKを10番FW山本一誓(3年)が頭で追撃ゴール。同22分に相手DF増田大空(3年/磐田内定)のスーパーゴールによって再び突き放されたが、2点差のまま食らいついた。
この日、存在感のある動きを見せていたMF福田一平(2年)が中盤で強度の高いプレーを継続。ボランチコンビを組むMF孫本晟馬(2年)とともにプレスバックを徹底した。また、DF牧野歩(3年)、DF篠崎健人(2年/U-17日本代表)、DF野地透生(3年)の3バックやGK辰侑樹(3年)が相手の縦に速い攻撃やコンビネーションによる崩しに対応する。
そして、孫本や左WB小林空翔(3年)の配球などから攻め返し、FW勝又悠月(2年)を加えた後半は勝又と右WB左近作怜(3年)が右サイドのスペースを効果的に活用して押し返した。
7分、右サイドから仕掛け、勝又のラストパスからFW佐々木瑛汰(2年)が決定的な右足シュート。直後の8分には野地の縦パスから、佐々木が相手のわずかな隙を突いて左足シュートを決める。
1点差となるゴールに観衆5,521人のスタンドからは大歓声が巻き起こった。流れは市立船橋。各選手が球際、切り替え、運動量の3原則を表現し、佐々木へのロングボールから勝又や山本がこぼれを拾って仕掛けようとする。19分には小林の左クロスから山本がヘディングシュート。直後には山本が右サイドへ抜け出し、GKの意表を突くミドルシュートで相手ゴールを脅かした。
そして、32分、牧野が自陣でのルーズボールをクリアせずに落ち着いて右へパス。左近作の縦パスは相手DFに阻まれたが、勝又が奪い返してPKを獲得する。このPKを山本が右足で決め、ついに2点差を追いついた。
スタンドの控え部員にも勇気を与えるような戦い。波多秀吾監督は「粘り強く、我慢強く、よくやってくれましたし、流経さんの力強さ、逞しさに後半以降はほんと怯むことなく、互角以上の戦いができたんじゃないかなという風に思います」と評した。
また、流経大柏の榎本雅大監督も「飲み込まれました。市船さんの気迫がやっぱ凄かったですね」と認めるような戦いだった。この後、互いにゴール前のシーンを作り出したが、スコアは動かずに延長戦へ。積極的に交代カードを切る市立船橋は延長前半、CKから4点目のビッグチャンスを迎えたが、決め切ることができない。逆に延長後半10+2分、自陣PAへのボールをクリアし切れず、流経大柏FWオゲデベ有規(3年)に決勝点を献上。激闘の末、3-4で涙を呑んだ。
市立船橋は流経大柏相手に強度で負けず、2点差を追いつく驚異的な粘り。流経大柏の選手たちも「リーグとトーナメントではほんとに別チームっていうぐらい違うチーム」「タフでした」というほどの強さを見せた。
だが、選手権も予選敗退。波多監督は「リーグ戦でなかなか勝てていないので、苦しいシーズンでしたけども、今日勝てなかったのも含めて全てが足りなかったなって私自身も反省すべきところがいっぱいありますし、選手も振り返ってみて、まだまだ勝ちに相応しい、そういうチームじゃないんじゃないかなというところは感じさせられたと思います」と説明する。
インターハイ予選、プレミアリーグEASTを含めて今季10度目の1点差負け。プレミアリーグEAST首位の鹿島ユースとも1点差のゲームをしているが、今回もまた惜敗に終わった。2年ぶりの選手権出場を逃した名門校は、流経大柏戦の敗戦も糧に。3年生たちの意地と涙を見た1、2年生たちが、努力を重ねて来年、“強い市船”を必ず取り戻す。


市立船橋は2年ぶりの全国出場に挑戦


市立船橋は2年生MF福田一平が競り合いで健闘


後半32分、市立船橋FW山本一誓が右足PKを決め、この試合2得点目
(取材・文 吉田太郎)
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