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伝統校・大分鶴崎が26年ぶり初戦突破!! 前回1-5大敗の「自信と悔しさ」結実、“吉武スタイル”目指すOB指揮官の悲願成就

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大分鶴崎高が初戦突破。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[12.29 選手権1回戦 山形明正高 1-3 大分鶴崎高 オリプリ]

 第104回全国高校サッカー選手権は29日、1回戦を各地で行い、ゼットエーオリプリスタジアムの第2試合は大分鶴崎高(大分)が山形明正高(山形)を3-1で破った。大分県勢としては2018年の大分高以来7年ぶりの初戦突破で、大分鶴崎としては同じ山形勢の山形中央を破った1999年以来26年ぶりの全国1勝。一方、山形勢は19年連続の初戦敗退となった。

 大分鶴崎は前回大会に続いて2大会連続8回目の出場。昨年度は初戦で帝京大可児高に1-5で大敗したが、当時2年生だったMF河野歩夢(3年=大分U-15)、DF吉元俊輔(3年=カティオーラFC U-15)、DF高野将大(3年=大分U-15)、FW木許央雅(3年=大分U-15)が中心選手として高いパフォーマンスを見せており、最高学年として一回り成長した姿で全国に帰ってきた。

 そんな大分鶴崎は4-3-3の布陣を採用し、GKは足元の技術が高い桑原颯太(3年=大分U-15宇佐)が県予選の序列を覆し、先発を奪った。4バックは左からDF山本一晟(3年=大分U-15)、吉元、DF片島啓太(3年=ヴェルスパ大分U-15)、高野が並び、アンカーはMF染矢宏輝(3年=カティオーラFC U-15)。インサイドハーフにMF河野眞剣(2年=大分U-15)と河野歩が並び、ウイングは左に木許、右にFW中西俊喜(3年=大分U-15)。前線中央はFW山下紫凰(2年=大分U-15)が務めた。

 対する山形中央はかつて新潟や大宮で監督を務めた鈴木淳氏が今季から率いる中、相手と同じ4-3-3を採用した。GK及川泰我(3年=トリプレッタSC)がゴールを守り、4バックは左からDF鈴木琉生(2年=ともぞうSC)、DF山田琉月(3年=FC VIENTAS)、DF川島空斗(2年=PELADA FC)、DF今鞍哉汰(3年=PELADA FC)。アンカーはMF石川帆太(1年=PELADA FC)で、インサイドハーフにはMF山本将吾(2年=トリプレッタSC)、MF佐々木貴彬(3年=FC Consorte)が入った。ウイングは左をFW中嶋陽向(3年=LIBERDADE静岡FC)、右をMF春川聖(2年=FCオーパスワンU-15)が務め、前線中央にはFW小山振一郎(3年=プレジールSC)が入った。

 試合は立ち上がりから両者ともボール保持の狙いを強く見せるなか、大分鶴崎が先に次々にチャンスを作った。まずは前半5分、染矢のスルーパスに山下が抜け出すと、ボックス内から左足シュートを狙う。だが、これはGK及川に触れられ、右ポストに阻まれる。さらに同6分にはセットプレーを起点とした攻撃からまたしても決定機を迎え、山下が右足ボレーで狙ったが、今度は左ポストに弾かれた。

 その後は山形明正がボールを握り、大分鶴崎がカウンターを狙うという構図が続く中、前半30分に大分鶴崎が試合を動かした。右サイドの深い位置にプレッシャーをかけ、河野眞がこれを奪い取ると、細かいパスワークから河野歩がボックス右を縦に仕掛け、深い位置までえぐってクロスを配球。これに反応した中西がヘディングで押し込んだ。

 なおも攻める大分鶴崎は前半35分、相手のスローインにプレッシングをかけた染矢がボールを奪うと、縦パスから山下がドリブルで持ち運び、そのままボックス内まで切れ込んで右足シュート。対峙したDFの間合いを外し、上手く不用意なスライディングを誘ったエースの巧みな一撃で、早くも2-0となった。

 ところが山形明正も譲らない。前半39分、中島の突破は相手に阻まれるも、二次攻撃から小山が左サイドに振ると、鈴木の左足クロスにファーサイドで春川が反応。ヘディングシュートでニアポスト脇を打ち抜き、1-2とした。山形明正は2年ぶり2度目の出場で初ゴール。2年生アタッカーが歴史に名を刻んだ。

 そのまま迎えた後半も一進一退の攻防が続くなか、大分鶴崎は後半4分、染矢の浮き球スルーパスに山下が抜け出し、またもビッグチャンスを迎える。だが、シュートは再びGK及川に防がれ、2点目のゴールが遠い。するとその後は大分鶴崎がルーキーのFW安部銀之助(1年=大分U-15)、山形明正はU-17香港代表MF黄溢軒(2年=傑志)とMFナトパビス・ウォラキットハムロンチャイ(2年=ポリス・テロFC)の留学生コンビを投入し、戦況を動かすことを試みる。

 ところが徐々に大分鶴崎が勢いを強め、後半32分には河野眞から安部にボールが渡ると、ドリブルでボックス内を打開。だが、これもGK及川のスーパーセーブに阻まれる。また同33分にも山下のシュートがGK及川に阻まれた。終盤には大分鶴崎がまたもルーキーのMF尼崎琉太(1年=カティオーラFC U-15)を入れ、山形中央がDF寺村健太郎(3年=FC GIUSTI世田谷)を起用した。

 そうして迎えた後半37分、大分がリードを広げた。高い位置で奪った高野が縦につけ、山下がなんとかつなぐと、これを受けた河野歩がボックス内でGKに倒され、PKを獲得。同38分、これを河野歩が決めて3-1とし、試合の決着がついた。最後は山形明正の佐々木がボレーで狙ったが、枠を捉えられずタイムアップ。大分鶴崎が26年ぶりの初戦突破を果たした。

 試合後、首藤謙二監督は悲願の初戦突破に「ずっと勝てないような感じでいたが、去年の経験がすごく生きていると感じます。雰囲気も去年と違って入りから慣れたような感じで入るので頼もしい限り」と評価。昨季の帝京大可児戦を振り返りながら「点差は開いたけど意外とできたことが自信になって、またそれがすごい悔しさにもなっていて、それを晴らそうとして来て、その結果1回戦を突破できた」と手応えを口にした。

 首藤監督自身も大分鶴崎OBで現役時代から目指してきた全国での1勝。かつてU-17日本代表などを率いた県出身の吉武博文氏から大きなインスピレーションを得ている指揮官は「まだ全然足元にも及ばないですけど……(笑)」としながらも、「パスをつなぐ子が集まってくれて、自分もやりたいサッカーに近づいているところがある。自分も全国大会では勝てずにこれが初めてだったので本当に嬉しいです」と感慨を口にした。

 31日に行われる2回戦・奈良育英高(奈良)戦も「うちは自分たちがやっていることしかできない」と“吉武スタイル”のポゼッションサッカーを貫く構えだ。目標の全国1勝をクリアしたことで、次の目標も気になるところだが、指揮官は「雑誌とかには過去最高がベスト16なのでベスト8とかって書いていますが、次も1勝です」と冷静に一戦必勝を誓った。
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(取材・文 竹内達也)

●第104回全国高校サッカー選手権特集

竹内達也
Text by 竹内達也

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